ー翳の回廊ー

見つけてしまいましたね…?

※注意書※
表に置けないダークな短文、または大人向けテイストな短文を衝動的に載せています。
暗い話や過激な表現が苦手な方、うっかり迷い込んでしまった貴方は速やかに宴の広間までお戻り下さい。
◆凶行 

「くっ…う…っ…う、あぁっ…!!」

殺風景な床の上で、苦し気に息を吐く美しい人。

恋とは、もっと尊く美しい物だと思っていた。

それが、どうだ。

穢したくないと思っていたのに、その表情に、体に、限りなく欲情する我が身が浅ましい。

「ああ…綺麗です、政宗殿」

滴る汗で首に、額に張りつく髪。

怨みがましく睨みつけてくる、大きな左眼。

「幸…村…ぁっ!」

繋がっている体を揺すって遣れば、悔しそうに歪む唇。

堪らず吸い付けば思いきり舌を咬まれるが、今はその痛みさえ心地好い。

「んっ…ん、む…っ…」

熱い舌を擦り合わせ、上顎をなぞれば華奢な肩がぶるりと震えた。

「は…あっ…!」

名残惜しく唇を離すと、首筋を辿りながら柔らかな耳朶を食む。

「ひぁうっ…!」

軽く歯を立てた後、穴に舌を差し入れると、思いの外高い声が上がり締め付けがきつくなる。

「やっあ…!」

感じるように舌を蠢かせると、虐められた子供のように嫌々と首を振る。

ああ、何と愛らしいのだろう。

「此処が弱いのですね、政宗殿は」

少し意地悪く揶揄すれば、涙を滲ませた瞳で再び反抗を示す。

その表情が、また酷く情欲を煽るのだ。

「いけませんよ、政宗殿。そんな顔をされたら、ますます虐めたくなってしまいます」

「んっ…くっ…あぁっ…!!」

堪らず細い腰を掴んで楔を穿てば、決して苦痛だけではない嬌声が鼓膜を刺激する。

「厭…止めよ、幸村っ…!!」

ぼろぼろと零れる涙をそのままにしておくのが惜しくて、紅潮した頬を舐め上げる。

「政宗殿…もっと…もっと私に溺れて下さい」

「や…厭じゃっ…!!」

逃げ打つ腰を、何度も穿つ。

角度を変え、深く、浅く、鋭く。

獲物を追い詰め、仕留めるように。

「ああああっ…!!!」

汗と涙でぐしゃぐしゃになりながら、堕ちまいとする健気な気高さが愛おしい。

一方で、手に入らない苛立ちという感情が、心の何処かで燻っている。

欲しい…欲しい、欲しい。

「政宗殿…」

「あっ…あっ…ああっ…!!!」

どれだけ欲しても、手に入らない物ならば、いっそ壊れてしまえばいい。

僅かに残る罪悪感と、この美しい物をこの手で穢す暗い悦び。

充血して膨らんだ箇所を幾度も幾度も擦り上げ、狙いを定めて押し潰す。

度重なる刺激に狭まった内壁はひくひくと蠢き、本人の意思に反して彼の人の絶頂の近さを知らせる。

「政宗殿の中…苦しいぐらいに熱くて狭くて心地好いです。もう…そろそろ限界ですか?」

声を潜めて囁けば、可哀想な程に怯えた様子で、小さな体を引き吊らせる。

「厭じゃ、頼む幸村…止めてくれ…!」

涙ながらに訴える、その喉が震えていた。

「政宗殿、貴方はどうしてそう可愛らしいのでしょう」

「…っう……んっ…」

細い首に、そっと口づけ印を刻む。

彼の一挙一動が、いちいち愛しくて堪らない。

しかし、そんな気持ちが伝わらないのか、美しい瞳は恐怖と侮蔑の入り混じった感情を、この身に浴びせてくる。

それがどうにも心地好い。

この感情は、愉悦だ。

そうして、私は真実に気づく。

「ああ、そうか…私は疾うに狂っていたのですね」

認めてしまうと、何故か自然と笑みが零れた。


「ひっ…ああっ…!ああっ…!ぃや…っ…!」

鎖を千切った獣は、最早躊躇いという概念を持たない。

ただただ欲しい物を、無心で食らう本能のみで生きている。

「政宗殿、政宗殿、政宗殿…!」

「はっ…ふあっ…んっ…あああ…!!」

獲物の柔らかな肉に歯を立てるように、息を切らし、猛る自身をただひたすらに打ちつける。

「やじゃ…厭じゃ…ゃ…あっ…ああっ!!」

白い喉を反らせ、華奢な指が床の木目に爪を立てる。

ぎりぎりまで引き抜いて、一挙に最奥を突けば、彼の最後の矜持は哀れにも崩れ去った。

「は…あ……あっ…っあああーーっ!!」

悲鳴と共に迸る絶頂の証。

同時に彼の内壁に痛い程締め付けられ、熱い欲望の飛沫を彼の内に叩きつけた。


事切れたように弛緩する、肉付きの薄い艶めいた肢体。

それを腕に捕り籠めると、腹の底から沸き上がる、哄笑。

「ふ…ふふ……っははははは…!!」

ああ、私は修羅だ。

「可哀想に、貴方はもう逃げられない」

貴方も共に堕ちればいいー。


誰に聞かせるともない狂気の囁きは、しかしどこか懺悔のような哀切を孕んでいた。

2014/04/06(Sun) 21:41  コメント(0)

◆手中(孫政) 

ぱあん!!

後方から放たれた銃弾が、突如左足を突き抜けた。

馬から投げ出された政宗は、全身を襲う激痛の中、信じられない思いで目の前の人物を見つめた。

「孫…市…」


それは長谷堂で、兼続を追い詰める最中の出来事だった。

慶次の攻撃をかわし、孫市と共に裏道を駆けていた政宗は、戦の勝利を確信していた。

そんな中、この惨劇は起きた。


「漸く二人だけになれたな、政宗?」

「…貴様」

血の流れる脛を庇いながら、政宗は膝の力で後退る。

「おいおい、無理すんなよ政宗。撃たれたらじっとしてなきゃ駄目だろ」

いつもと変わらぬ様子で、孫市は手を差し伸べる。

だがその笑顔に、政宗は底冷えするような恐ろしさを感じていた。

「よ…寄るな!!」

「何だよ、俺らはダチだろ?…けど堪んねぇな、その怯えた顔」

震える政宗を品定めをするように、孫市はぺろりと乾いた唇を舐める。

「この、裏切り者めが!!」

「威勢がいいな」

「っ…貴様何故…」

「お前が悪いんだぜ?簡単に俺を信用したりするから。頭の中は、お前をどう汚して遣るかで一杯だってのにな」

「な、ん…っ!!」

血泥で汚れた政宗の頬を指で拭うと、孫市は奪うように唇を重ねた。

「何をする!!」

孫市の手を叩き落とすと、政宗は反射的に刀の柄に手を掛ける。

「おっと、」

が、刃を抜くより早く、孫市は政宗の被弾した足に蹴りを入れた。

「ぐあっ…!!」

「悪い、大丈夫か?」

痛みに刀を取り落とした政宗の体を抱き起こすと、孫市は足の傷を覗き込む。

「うーん、けっこう酷いな」

「く…うぅっ…」

「足出せよ、手当てして遣る」

「触るな!」

「そう言うなって。それにお前はもう俺のなんだから、死なれたりしたら困る」

「誰が…うぐっ…!!」

言うなり脛に入った鉛を口で吸い出すと、孫市はそれを慣れた様子で地面に吐き出した。

政宗が歯を食いしばり痛みに耐えていると、今度は竹筒に入った酒を穴の空いた足へと浴びせる。

「あぐっ…うああぁ゛…っ!!」

最後に血止めの灰を埋め込むと、政宗が苦しんでいる内に手際良く傷に布を巻いた。

「く……ぜぇ…はぁ…はぁ…っ」

「足が痙攣してるぜ、痛くして悪かったな」

「貴様、殺して遣る…」

涙の滲む瞳で憎悪を浴びせるが、孫市はそんな政宗を嘲笑うかのように情欲を含んだ目で線の細い体をなぞる。

「睨むなよ。そうイイ顔で睨まれると、此処で本気になっちまいそうだ」

「下衆が…!!」

「はは、その目だ!ずっとその目が欲しかった。怯えた顔、裏切られて傷ついた顔…どれもいいが、俺が一番見たいのは…」

孫市の手が、政宗の腰紐へと伸びる。

「その生意気な顔が、絶望と屈辱にまみれる瞬間、かな」

「止めろ…ゃ…ああっ…!!」

不利な体勢と傷のせいで十分な抵抗も出来ぬまま、政宗の袴は膝まで引きずり下ろされる。

「安心しな、大人しくしてれば乱暴にはしない」

「ひ…ああっ…!!」

孫市は政宗の中心に手を伸ばすと、恐怖で萎えているそれをやんわりと握った。

「ひっ…うぁ…!!」

「可哀想に、すっかり縮こまってるな。力抜いてな、すぐ良くして遣るよ」

「っ…あうぅっ…っ…は…っん…んんっ…ぁ…っ!」

自身を執拗に扱かれ続け、やがて政宗の唇から不本意な音色が漏れる。

同時に孫市の指が、透明な粘液でしとどに濡れ始めた。

「はっ…ぁ…っ…んっ…ぅ…あぁっ…!」

「は、無理やりされてるってのにもうぐっしょり濡れてるぜ。それともお前、酷くされると感じるのか?」

「…ぅ……黙れ…下郎…っ!」

男に組み敷かれる屈辱に震えながら、政宗は濡れた瞳で尚も孫市を威嚇する。

「お前のそういう顔、凄ぇそそるぜ?それがいつまで続くか見ものだな」

「あ…っ!!」

政宗自身から手を放すと、孫市は十分に濡れた指を蕾へあてがう。

「止せ…止めろ…!!ひあっ!?あっ……あうぅ…っ!!」

滑りを借りて潜らせた指を性急に馴染ませると、孫市は熱く脈打つ自分自身を政宗の体内へと捻込んだ。

「あっ…あああーっ!!!」

「くっ…きつ…凄ぇイイ」

「止めっ…厭じゃ…いや…やっ…ぃやあああーーーっ!!!」


孫市が何度目かの精を放った時、政宗は遂に気を失った。

「はっ…はははは!!」

ぐったりと倒れ伏す、世にも美しい青年を手に入れた孫市は、腹の底から込み上げる昏い喜びを抑える事が出来なかった。

「これからはずっと、俺が側に置いて可愛いがって遣るよ…政宗」

2013/08/13(Tue) 16:14  コメント(0)

◆耽溺(兼政) 

「や…いやあっ…!!」

書物の香る一室で、兼続はまだ幼さの残る青年の体を組み敷く。

兼続が美しい隻眼の青年を攫おうと決めたのは、もう一月も前の事だった。

「これ程毎日抱いているというのに、まだ抵抗するのか政宗?」

「こんな事…慣れる訳が無かろう…っ」

「体の方はすっかり馴染んだように思えるが?」

「っあぁ…!!」

少し手を加えただけで、しなやかに反り返る体。

形の良い唇から漏れる甘い掠れ声が可愛くて、兼続は繊細で巧みな愛撫を政宗に施す。

「どうした、もう全身が真っ赤だぞ」

「ぃ…やああっ…!!」

頭では拒絶しながらも、兼続の思うままに身をくねらせる政宗の様子は、酷く淫らだった。

「厭っ…厭じゃ…もう止めっ…!」

「駄目だ政宗。お前に考える頭は要らない」

「ひ…んっ…ぁっ…ああ…ああっ!!」

内部を掻き回される度に、何かが零れ落ちてゆく。

僅かに残る理性にしがみつきながら、政宗は必死に記憶を巡らせる。

「何故…こんな…っ」

優しい兼続が好きだった。

叱られる時にも感じる、温かみのある声。

その大きな手で、優しく髪を撫でられるのが好きだった。

だが今は。。


「あっ…ぅ…!」

ただただ劣情を煽るためだけに肌を滑る指先を、蛇のように感じる。

絶え間なく投与される快楽は、まるで罰を与えられているかのようだ。

「やっ…兼続…頼む……っ」

泣き濡れた瞳で縋るように見れば、兼続は宥めるように甘い接吻を落とす。

時折見せるその優しさが、ますます政宗の心を掻き乱してゆく。

「ぐすっ…厭じゃ…もう…もう…っ」

「おかしくなりそうか?そうとも、それでいい」

「なっ…ひあっ!あああっ!!」

後ろから犯しながら、兼続は精液にまみれた政宗自身をなぶるように弄ぶ。

「あっ…あっ…あっ…あっ!!」

あっという間に絶頂の際に押し上げられ、政宗は細い悲鳴を噛み殺す。

「厭…厭っ…やあ…っ!」

悦楽の底に突き堕とされぬよう、政宗は畳の目に思い切り爪を立てる。

「っ…あっ…あああーっ!!」

が、やがて一際激しく突き上げられると、政宗は膝から崩れるように気を失った。


「政宗…」

糸が切れたように倒れた政宗を、兼続はそっと抱き締める。

今まで政宗を奮い立たせる為に叱咤してきたが、それでも政宗の奥に潜む悲しみは消せなかった。

恋人同士になり共に眠るようになってからも、政宗は決まって父を殺す悪夢に魘され目を覚ます。

そんな政宗を救いたいと思った。

が、兼続がいくら強く抱き締めて眠っても、結果は同じだった。

やがて兼続が行き着いた先はー、


「かねつぐ…」

親を求める童子のように舌足らずな口調で、政宗は兼続の襟に縋りつく。

「ん?どうした政宗」

「ねむい…」

「そうか、では布団まで連れて行って遣ろう」

「うん…」

抱き上げられたまま甘えるように顔を擦り寄せる政宗が、兼続は可愛くて仕方ない。

大事そうに夜具の上へ下ろすと、兼続はその白い胸元へと慣れた動作で指を滑らせる。

「はぁ…かねつぐ…!」

「気持ち良いか、政宗?」

「…んん…っ」

少し恥ずかしそうに身を捩りながら胸を突き出す政宗に、兼続は優しく愛撫を施す。

「素直だな」

「…ふ…ぁんっ…!」

「可愛いぞ政宗、今日も快楽に溺れさせて遣ろう…お前が二度と怖い思いをしないように」

耐え難い罪悪感から政宗を解き放つ為、兼続は最も卑なる道を選んだ。

元の人格を擦り潰された政宗は、今や兼続だけの無垢な赤子だ。

「あっ…かねつぐ…かねつぐ…っ…」

時折、政宗は兼続の背中に爪で酷い傷をつける。

だが兼続はそんな所も愛しいというように、政宗を抱き締める力を強くする。

「…つぐ…かえして…っ…」

「ん?」

「かね…つぐ…わしは…」

途切れ途切れに紡がれた言葉を、兼続は今日も聞かない振りをする。

「大丈夫だ政宗、もっと深く抱いて遣る。政宗…お前は生涯私が守る」

「ゃ…ちが……あっ…んっ…あああーっ!!!」

政宗の虚ろな瞳に宿った最後の心は、溢れ出す悦楽の涙に紛れ、やがて行方知れずとなった。

2013/08/12(Mon) 14:58  コメント(0)

◆獣性(孫政) 

「政宗、俺と賭けをしないか?」


孫市がそう持ち掛けたのは、夕日の照りつける鳥撃ちの帰り道。

今日の戦績は五分だった。


「引き分けのままじゃすっきりしねぇだろ?最後にもう一勝負といこうぜ」

「ふん、良かろう!このままでは儂も得心が行かぬ所であったわ!」

この提案に、政宗はすぐ不敵な笑みを返した。

「流石は政宗だ♪じゃあこんなのはどうだ?お互いに指名した獲物を撃ち合い、先に外した方の負け。んで、負けた方は相手の命令を一つだけ聞く」

「ほう、面白い。じゃが良いのか孫市?後で泣き言を言っても撤回は認めぬぞ?」

「自信満々だねぇ…?だが俺もお家芸の鉄砲で負ける訳にはいかないな」

「馬鹿め、貴様など儂の敵ではないわ!」

「へぇ。その言葉、忘れんなよ?」

意気込む政宗に分からないよう、孫市は愛銃を握り締めながら密かにほくそ笑んだ。


「孫市、あの小鳥を撃て!」

「政宗、あの木の実を落とせるか?」

「孫市、あそこに咲いている薊じゃ!」

「政宗、あの蛙を撃てるか?」

昏くなるまで勝負は続いた。

が、実力は拮抗し、一向に決着は着かない。


「埒が空かぬな」

「全くだ、もうすぐ日が沈むぜ。なあ政宗、次で仕舞いにしないか?」

「何!?まだ勝負は着いておらぬぞ!…が、そうじゃな。これではいつまで経っても屋敷に戻れぬ」

「じゃ、そういう事で。俺は何を撃てばいい?」

孫市が問い掛けると、政宗は暫し思案した後ある方向を指差した。

「ふむ……あれじゃ!」

政宗が示したその先には、一匹の青い蜻蛉が悠然と空を飛んでいた。

しかし、その青く輝く蜻蛉の体は糸のように細い。

「おいおい、酷ぇな。この暗さで、しかもあんな細っこいのを撃ち落とせってのか」

「泣き言は言わぬのではなかったか?出来ぬのなら貴様の負けじゃ、その銃を貰うぞ!」

政宗が意地の悪い子供のような目で孫市を見る。

が、それでも孫市は負けじと銃を構えた。

「はっ!ここで退いたら雑賀孫市の名が廃るってもんだ。政宗…よく見てな!」

風が吹いていた。

孫市は冷静に照準を合わせながら、機会を待つ。

そして……結果は、、

ぱあん!!

乾いた破裂音と共に、蜻蛉は落ちた。

片翅を撃ち抜かれた蜻蛉は、焦げた臭いをさせながら狂ったように地面でもがく。

「体を撃たなくても、翅がなければもう飛べない」

その瞬間孫市が浮かべた凄絶な笑みに、何故か政宗は背筋が凍る心地がした。


「政宗、俺の勝ちだ」

「馬鹿め、まだ終わってはおらぬ!今度は儂の番じゃ!」

寒気を消し去るように、政宗はいつもの虚勢を張る。

「ん?そうだったか?」

「惚けるでないわ!孫市、さっさと標的を定めよ!!必ず撃ち抜いてくれる!」

「さて、お前に撃てるかな」

「勿体ぶるでない!儂が的を外す事などないわ!!」

「賭けるかい?じゃあ…此処を撃ちな」

静かな口調で、孫市は告げた。

だが、孫市が示した先を見て、政宗は思わず言葉を失う。

その指先が指していたのは…孫市自身の胸だった。


「…貴様、ふざけておるのか??」

「いいや?」

「馬鹿め、これが冗談でなくて何なのじゃ!!」

「撃たないのか?」

「当たり前じゃ!何故儂が貴様を撃たねばならぬのじゃ!」

「何故…?理由ならあるだろ」

孫市の言葉と共に、不意に政宗の視界が暗くなる。

「これから俺はお前を犯す」


気がつくと政宗は、孫市の腕の中に捕らわれていた。

「さあ戦利品を貰おうか」

「孫市…?っ何をする!?」

首筋に舌を這わされる感覚に、政宗は肩を震わせる。

「いっ…厭じゃ!」

「その反応…初々しいな」

「離せ無礼者!!忘れたか、儂の銃にはまだ弾が残っておる!!撃たれたくなくば退け!!」

「…やってみな」

「な…に」

「撃てるもんなら、な」

拘束を僅かに緩めると、孫市は政宗の耳元で残酷に囁く。

「お前に俺が撃てるのか?父親を、弟を手に掛けた事を未だに後悔してるお前に」

「孫…っ」

「撃てよ。じゃなきゃ続けるぜ?」

「や…厭…」

「選びな政宗。俺を殺すか、抱かれるか」

「儂は…儂は…っ!」

政宗の隻眼から涙が伝う。

それと同時に、華奢なその手から黒い銃身が零れ落ちた。

「政宗…俺はお前の弱さが好きだぜ。安心しな、これからは俺が守って遣るよ」

低い男の声と共に、政宗の体は引き倒される。

そんな二人の傍らで、地に落ちた蜻蛉はひっそりと命を終えていた…

2013/07/28(Sun) 13:59  コメント(0)

◆嫌悪の情(兼政) 

「うっ…止めよ…!!」

足掻く華奢な体を、兼続は乱暴に床に縫いつける。

「ふざけるな!!離せ!!」

「キャンキャンうるさい山犬だ」

喚く政宗の声に眉をしかめながら、兼続は自らの衣を脱ぎ捨てる。

そして間髪入れず、今度は政宗の着物の合わせ目に手を掛けた。

「なっ、何をする!?」

唐突な行動に驚く政宗だが、小袖の裾を袴から引き抜かれるにあたって、初めて今の状況を認識した。

「この不埒者っ!!」

馬乗りで押さえつけてくる男に蹴りで応戦しようとするも、床に組み敷かれた状態では反撃もままならない。

そうこうする内兼続は器用に政宗の袴を外し、その下肢にまで手を伸ばす。

「馬鹿め、気でも狂ったか!!」

「言った筈だ。吠えるな、耳障りだ」

「あっ!!」

首筋に噛みつくような接吻を受けた相手が気を散らしている隙に、兼続は政宗の下着をするりと引き抜く。

そして狼狽する政宗の足を膝で開かせると、兼続は政宗の隘路に強引に侵入した。

「大人しくしていろ」

「ひ…っ!!あっ!?っっあ゛ーっ!!!」

ろくな前戯もない一方的な行為は、最早只の暴力だった。

呼吸もままならない政宗は苦し気にもがくが、それでも兼続は侵略を止めようとはしない。

「がっ…ぁっ…うぐっ…うああっ…!!」

気の遠くなるような痛みに、政宗の額からは玉のような汗が噴き出す。

その苦痛の表情を見下ろしながら、兼続は淡々と作業に没頭している。

「ぐ…うっ…ぃ…ぎっ…」

噛み締めた歯の隙間から、押し殺された悲鳴が漏れる。

「うっ…ぐすっ…ひっ…ぐ」

いつしか政宗の左の瞳からは、悔しさからか苦痛からか、涙がぼろぼろと零れていた。

「兼続貴様、殺して遣る…絶対に殺して遣るっ…!!」

赤く泣き腫らした瞼から、政宗は兼続を睨みつける。

だがその顔は、既に汗と涙でぐしゃぐしゃだった。

「……酷い顔だ」

そんな政宗の顔を覗き込むと、兼続は作業を止め感情の不明瞭な声で感想を漏らした。

「誰の所為で…!!」

「ああ、私だな」

非難と憎悪の目を向ける政宗にそう呟くと、兼続は乱れて貼りついた政宗の髪をそっと手で撫でつける。

「な、に…」

加害者の予想外の行動に、政宗は濡れた瞳を兼続に向ける。

「私はお前を見ていると、時々酷く苛立つのだ。だから不義なお前を懲らしめれば気持ちが晴れると思ったのだが…どうやら少し違ったようだな」

「は…?ぐっ…ぅ!!」

怒りも忘れ呆気に取られていると、突然政宗の体内から、兼続の大きな楔が引き抜かれる。

それと同時に、体液と血の独特の臭いが周囲に立ちこめた。

「うっ…ううっ…」

圧迫感からの解放に微かに安堵する政宗の腰に、兼続の腕が再び絡みつく。

「やっ…厭じゃ離せ…離せっ…離っ……んぐっ…!?」

途端に火がついたように暴れ出す政宗の唇を、兼続が塞いだ。

が、兼続の舌が政宗の口内に差し掛かった瞬間、その舌先に鋭い痛みが走る。

「っ…!」

「はあ…はあ…っ!!無礼者!貴様など殺して遣る…っ!!」

「政宗、」

舌の痛みに微かに眉を寄せながら、兼続は包み込むように政宗の背を抱く。

「ぐすっ…っ触るな!!」

「聞け、政宗。困った事に今気がついたのだが…私はお前に惚れているらしい」

政宗を胸に抱き、その背中を落ち着かせるように撫でながら、兼続はぞっとする程優しい声で低く囁いた。

「な…っ」

「政宗、私の物になれ。そうすれば、今度は優しく抱いて遣る」

痛みと恐怖で強張っていた政宗の肩から、微かに気力が抜ける。

「っ…誰がそのような甘言に惑わされるものか!!」

目の前にあった兼続の肩に噛みつくと、政宗は血が滲む程に歯を立てた。

「…それでこそ、お前だな」

政宗の顎を掴むと、兼続は自らの血で汚れた唇を指でなぞる。

「っ…触るな…!」

「悪いが無理な相談だ」

「儂は…一生貴様を赦さぬ…っ!」

「赦さなくとも構わない。だが怯える姿は十分堪能した…次は快楽に我を失うお前の顔が見たいものだな」

「やっ…止めろ……ひっ!?…ゃ…いやっ…厭ああーっ!!」

思考を埋め尽くすように、兼続は政宗の情欲に火を着ける。

幾度も翻弄され乱される中で、己を支配するその行為が嫌悪か悦楽か…政宗にも遂に解らなくなった。

2013/07/15(Mon) 18:08  コメント(0)

◆不信(幸政) 

「政宗殿…何故私以外の男と親しくするのですか?」

「ただ仕事の話をしていただけじゃ。貴様は儂が信じられぬのか」

もう幾度目かも分からない遣り取り。

埒の空かない問答に、政宗は苛立ちを募らせていた。

「幸村、儂は貴様に惚れておる。それだけでは不足か」

「言葉だけでは信じられません。人の心など、瞬く間に形を変える雲のようなもの」

「では、どうせよと」

「証を下さい」

政宗を強く抱き寄せると、幸村は噛みつくように唇を重ねた。

「あっ…あっ…あっ…あうっ…!」

幸村の厚い胸板の下で、政宗は髪を振り乱して悩乱する。

政宗は幸村を愛している。

幸村の体温と情熱、肌を滑る手の感触…何もかもが気持ち良くて、愛しくて仕方ない。

しかし…政宗は幸村に抱かれながらも、その心とは相反する決断を今日下そうとしていた。


「…別れよう」

情事の後。

身支度を整えた政宗は、絞り出すように言った。

「儂は貴様を好いておる。じゃが、貴様はそれを信じられぬと言う。このままでは…きっとお互い駄目になる」

「政宗殿…何を…?」

「言葉の通りじゃ、解らぬか?」

突き放すように重ねれば、幸村は理解出来ないと言うようにその表情を強ばらせた。

「…心変わりをなされたのですね」

「違うっ!何度違うと…!!!ぐっ!?」

言葉の終わりを待たずに、政宗の体は再び床に押し倒された。

「ゆ…き…」

「赦さない」

「っ…止せ!もう止めじゃ!儂はもう貴様には抱かれぬ!」

「黙れ」

ぞっとする程冷たい声で、幸村は政宗を静止させる。

その瞳には赤々と、狂気と憎悪が燃えていた。

「い、厭じゃ…」

愛しい男が見せた初めての顔に、政宗は恐怖する。

震える体で後退ろうとする政宗に、幸村はふと表情を和らげる。

「そんなに怯えないで下さい。愛しい貴方を傷つけるような事はしません。ただ…良い事を思いついたのです」

「…?」

政宗の肩を優しく抱くと、幸村ははっきりとした声で耳元に囁く。

「政宗殿。私の子を生んで下さい」

「な…に」

信じられない言葉に、政宗は耳を疑った。

「貴方が私の子を孕めば、もう何も心配は要らない。そうでしょう?」

「貴様は何を言っておるのじゃ!!男に子が成せる訳はなかろう!」

「成せぬのならば、成すまで試せばいい」

「離せ!!貴様は…貴様は狂ってる!!」

幸村から逃れようと身を捩る政宗だが、抵抗も虚しくその足を開かされる。

「いっ…やだ、厭…うーっ!!!」

「ああ、中にまだ先程の余韻が残っていますね。でも…まだまだ足りない」

「ひ…あっ!!」

「もっと溢れる程に注がなければ」

「や…厭…やだ…っ!!ああっ!!」

強引に開始される注挿に拒否の意を示すが、幸村に慣らされた体はそれでも勝手に感じ始める。

「んっ…んっ……ゃ…っあぁ!!」

「可愛らしいですよ政宗殿…もっと奥まで私を受け入れて下さい」

「ん…やぁ…幸村っ…止めっ…苦し…っ!」

恐怖と快楽に溺れながら助けを求める政宗の頬を、幾筋もの涙が伝う。

その涙を唇で愛し気に拭いながら、幸村は何度も何度も政宗を貫いた。

「うあっ…あああっ!!もう…壊…れるっ…!!」

「壊れればいい。貴方もこのまま狂ってしまえばいいのです」

「厭だ…いやだ…いやっ!!」

政宗を絶頂の闇に突き堕としながら、幸村は歪んだ愛を体内に吐き出す。

「貴方が我が子を孕むまで、何度でも抱いて差し上げますよ」

「ひあっ…あああっ!!!駄目…っ…幸村…ゆきむら…!!やっ…いやっ…いやああぁーっ!!」

熱い飛沫が内部に叩きつけられると同時に、政宗の中で白い何かが弾けた。

「政宗、貴方は私の物だ」

ぷつり、と糸の途切れた音を、幸村は聞いただろうか。

その日以来、政宗は幸村の望むままに体を捧げる従順な『妻』となった。

2013/06/15(Sat) 14:09  コメント(0)

◆蕾花(小十政) 

「あ…ぅ…小十郎…もう…っ」

「まだ終わりではありませんよ若。私をきちんと満足させて下さい」

床に四つん這いになる幼い主を、小十郎は冷酷な表情で組み敷く。

「…ぅ…無理じゃ…!」

獣のような姿で小十郎の男をくわえ込まされ、政宗の膝は崩れそうになる。

しかし、思わず倒れそうになると、すかさず小十郎の平手打ちが政宗の臀部を襲う。

「うああっ!!」

屈辱的な扱いに歯噛みするものの、今の政宗には小十郎に抗う術はない。

「まだ分かりませんか?貴方は多少の知恵はあるものの、未だ非力な子供なのです。敵を籠絡する手段は、多く知っていて損はない」

「だからと言うて…こんな…!」

「幸い若は美しい。上手くすれば、その体で国一つ買える程に」

白い胸を愛撫しながら、小十郎は政宗のうなじに口づけを落とす。

「はぁ…っ…」

「ですが、美しいだけではまだ足りません。これからは男を誘惑し、虜にするだけの技を身につけて頂かねば」

「んっ…うぅっ…!」

小十郎が緩やかに腰を揺らめかせると、政宗はそれだけで達してしまいそうになる。

しかし、そうなる前に小十郎の手が政宗の絶頂を阻んだ。

「あうっ…!」

「まだ駄目です。言ったでしょう?敵を虜にするには、まず己より相手の快楽を優先しなくてはなりません。先に達するなど以ての外です」

「ひっ…!」

そう諭しながらも、小十郎の手は政宗の胸の飾りを強く摘んで弄ぶ。

「あ…んっ…それ止め…!」

「此方を慣らせば後ろの感覚も発達します。今後の為にも鍛えておきましょうか」

「いやああっ…!駄目っ…小十郎!!小十郎っ…!!」

「おや、胸を弄られただけで達きそうなのですか?しかし、私の方はまだ物足りませんよ」

「駄目…だめっ…もうだめじゃ…っ!!」

生殺しの状態に、まだ成熟しきらぬ若い体が悲鳴を上げる。

そんな政宗の様子に、小十郎は少しだけ表情を和らげた。

「仕方のない人ですね」

ふっと笑うと、握った政宗自身の根元は押さえたまま、小十郎は先端をぐりぐりと指で苛む。

「あっ…!厭あ…っ!!!」

政宗が泣きそうな顔で手を退けようとするが、小十郎は更に全身を揺さぶるようにして隘路を往復する。

「こうすれば、より中が引き締まって少しは早く終われますよ」

「ひっ!あっ…あっ…あっ…止めてぇっ…!!」

壊れそうな衝動に、政宗は桜色の肌を震わせる。

「良いのですか?動かなくてはいつまで経ってもこのままです」

「厭ぁっ…でも、もうっ…」

「胸をこんなにも尖らせて、いやらしい子供ですね。それに小さな此方も懸命に勃たせて」

「んあぅ…触るなっ…ああっ…ああっ…ぁんっ…あああーっ…!!!」

執拗に急所を責める小十郎が僅かに握る力を緩めた隙に、政宗の中から解放された奔流がそのしなやかな指を汚した。


「あっ…ううぅ…」

政宗は弛緩した体を、ぐったりと小十郎に預ける。

しかし小十郎は、呆れたように幼君のまだ小さな性器を摘んだ。

「ひんっ!!」

「困りましたね、自分だけ先に達してしまうとは」

「ば…馬鹿め!貴様がわざと…っ」

「言い訳は無用。酷いお仕置きをされたくなかったら、もう一度最初からやり直しです」

「ひ…人でなしっ!!」

「何とでも言いなさい。貴方が一人前の傾城になるまで、何度でも躾て差し上げますよ」

涙目で抗議する政宗を床に組み敷きながら、小十郎は悪魔のように唇の端を吊り上げる。

元より幼君の体を取引に使うつもりなど、小十郎には毛頭ない。

この可愛い主を、罰と愛情の枷によって自分好みに仕立てる機会を得た幸運。

「ふふ…可愛らしいですよ、私だけの若」

愉悦を噛み締めるように、小十郎は政宗の首筋に情痕を残す。

その日、明け方を過ぎても政宗の部屋から洩れる啜り泣きが止む事はなかった。

2013/06/09(Sun) 21:54  コメント(0)

◆愛切(清三) 

「…うっ…ううっ…」

「誰が休んでいいと言った?」

清正の冷たい声が、気を遣りかけた三成に浴びせられる。

杯を傾けながら座している清正の前で、三成は清正の腹臣である二人の男に弄ばれていた。

「だとよ、しっかりしろよ治部殿?」

後ろから三成をなぶりながら、森本義太夫がカラカラと笑う。

一方の飯田覚兵衛は、ただ黙々と三成の肌を愛撫している。

「よう覚兵衛、そろそろ代わって遣ろうか?」

「俺はまだいい」

そんな会話を交わしながら、先程から二人は代わる代わるに三成を犯している。

他ならぬ、主君清正の命令で。

「くっ…!貴様…悪趣味だぞ…!」

「まだ生意気な口を利く余裕があるのか?おい義太夫、物足りないようだぞ」

組み伏せられながら呪いの言葉を吐く三成を厭わし気に見ると、清正は更に冷酷な下知を下す。

「了解♪」

「ぁっ…!ひっ…!?」

清正が顎をしゃくると、途端に義太夫の責めが性急なものに変わった。

「はぁ…はぁ…はぁ…あっ…あっ…ぁっ!?…ああーっ!!!」

乱暴に前立腺を犯され、三成は正気を失いそうになる。

訳も分からぬまま揺さぶられている内、三成は己を犯す男と一緒に熱いものを放出した。


「…失礼仕る」

「…ぅ……あっ!?止めろ!!」

体を投げ出して息を整えていると、今度は覚兵衛が三成の腰を捕らえた。

三成は義太夫よりも労るような抱き方をする、この男が苦手だった。

「止せ…俺に触るな…!!」

覚兵衛は嫌がる三成の体を清正に見せつけるように開かせると、下から一気に突き上げた。

「うあああっ…!」

仰け反る三成の胸を、覚兵衛は更に指で擦り潰すように刺激する。

「ひあぁっ…!」

清正の目の前で弄ばれる屈辱に震える三成だが、覚兵衛の手に掛かると簡単に声を上げさせられる。

「あっ…ああっ!!!」

胸と後ろを同時に責められ、気持ちとは裏腹に三成は自分でも分かる程きつく覚兵衛を締めつけていた。

「良い声で鳴くねぇ…じゃあ、俺も手伝って遣るか」

暫く様子を見ていた義太夫だが、見ているのにも飽きたのか、口元に嫌な笑みを浮かべて二人ににじり寄って来た。

そしてそのまま義太夫は、再び起立しつつある三成の陰茎を無造作に掴んだ。

「ああああっ…!!!」

途端に、三成の太腿がびくびくと痙攣する。

「止せ義太夫、それをすると中がきつ過ぎて辛い」

覚兵衛は眉をしかめるが、義太夫はそれには耳を貸さない。

「固い事言うなって、見てるだけじゃ味気ないからな」

言うなり三成自身を摩擦すると、その先端を親指で擽る。

「ひっ…あああーっ!!」

堪らず三成が喉を反らせると、不意に大きな手にその顎を捕らえられた。

「き…きよまさ…!?」

「達く顔、近くで見せろよ」

元戦友の信じられない言葉に、三成は愕然とする。

が、考える隙もない程責め立てられ、直ぐに意識が浚われそうになる。

「ぃ…厭だ…ぃゃっ…!」

もつれる舌を必死に動かし抗議する三成を、しかし清正は赦そうとはしない。

「もう限界なんだろ?達けよ」

「はっ、あうっ!!」

極限にまで凝った胸を強く抓られ、三成はぞくぞくする感覚に身を捩る。

「止めろ…清正っ…!!清正…っ!!」

半ば泣くように懇願するが、清正の目は真っ直ぐに三成を捉えて離さない。

「厭だ…頼む…見るなっ…ぃゃ…ああぁーーっ!!!」

一際強く突き上げられた瞬間、三成は清正の目の前で全身をひきつらせるようにして達した。


倒れ伏す三成の体を、清正は絞った手拭いで丹念に拭って遣る。

「そんなに大事なら、何でわざわざ苛めるかねぇ?折角無茶をして、関ヶ原から助け出したんだろうに」

その様子を見守りながら、義太夫は呆れるように言った。

「愛情とは奇異な物ですな」

覚兵衛は憐れむように、幼少からの友垣でもある主君を見る。

「今はコイツに、何も考えさせたくねーんだよ」

白い頬の涙の跡を指で辿ると、清正は三成の唇を優しく塞いだ。

2013/06/01(Sat) 19:07  コメント(0)

◆続・食わず嫌い(孫政) 

「あっ…ふっ…あぁっ…!」

政宗が孫市に初めて犯されてから一月…

以来孫市は、毎日のように政宗を抱きに来る。

「はぁ…最高だぜ政宗。俺とした事がすっかり夢中になっちまった」

政宗の中に入り満足そうに息を吐く孫市に、政宗は嫌悪の情を隠せない。

「…下衆めが…っ」

怒りを顕わにして政宗は孫市を睨むが、孫市は相変わらずへらへらと笑うだけだった。

「つれないねぇ…まあそうでなきゃ落とし甲斐がないけどな」

「…ひっ…!?」

「お前あの時初めてだった割には、もうすっかり俺の体に馴染んでるぜ?」

「…ん…んんっ…!」

政宗の耳朶を甘噛みしながら、孫市はゆっくりとその体を味わう。

「うああっ…!!」

「ホントこんな極上の体、今まで試さなかったなんて勿体ねーよな」

心の底から残念そうに、孫市は溜め息を吐いた。

「ぅっ…貴様のようなならず者…直ぐに追い出してくれる…!」

「出来んのか?暗殺は俺の十八番だぜ。お前の大事な身内が、ある日突然いなくなる事になるかもな」

「何処まで卑劣なのじゃ…!!」

「卑劣で結構だね。それに脅されてるって前提の方が、お前も燃えられるだろ?どんなに乱れても、無理矢理されてるんだって言い訳出来るもんな?」

「な…に?」

「強がんなよ。俺にここ犯されると、気持ち良くて仕方ねーんだろ?」

「ひあっ、あうぅっ…!!」

ぐるりと腰を旋回され、政宗はびくびくと体を揺らす。

「見ろよ、前はびしょびしょだ。中身は別の生き物みたいに、こってり絡みついて来るぜ」

「っあぁ…!止せっ…!!」

「言ってみろよ。ケツ振りながら、気持ちイイって」

「…っ…黙れっ!ん!?んぐっ…!!」

孫市を睨みつけようとしたその時、政宗の唇に陶器の縁が押しつけられる。

喉が焼けるような感覚が走って初めて、政宗は強い酒を口に流し込まれた事を知る。

「ぐっ…ごほっ…!な…!!うっ!?」

飲み下せずに咳き込んでいると、孫市は政宗の口を塞ぐように唇を重ねた。

「んっ…む…んんっ…んーっ!!」

濡れた舌で口腔内を愛撫され、苦しさのあまり政宗は注がれた液体ごと孫市の唾液を嚥下する。

「はあ…はあ…はあっ…」

政宗が液体を余さず飲み込んだのを見届けると、孫市は漸く唇を離した。

「はぁ…っ貴様…何を……」

「ああ、お前がもっと愉しめるように、な」

孫市は意味あり気に笑うと、再び乗り上げるように政宗の内部を掻き乱し始める。

「あっ…!…ふぁっ…はぁっ…あああっ!?」

孫市が動き始めると同時に、政宗の唇から驚愕の色を含んだ切ない声が洩れ始める。

「…あ…ふっ…んっ…あっ…ひあっ…あ゛ああっ!!」

頃合いを見計らって孫市が腫れ上がった胸の果実を弾けば、政宗は魚のように反り返った。

「効果抜群だな、ほら素直になれよ」

「あああっ!!」

「く…きつっ…。薬が効き過ぎたかな、食いちぎられそうだ」

微かに顔をしかめながらも、孫市は気持ち良さそうに腰を使う。

「うあっ…やっ…あっ…ああっ!!止めっ…動くなぁっ…!!」

「そいつは無理だ。それにな、ちゃんと抜かないと後で大変な事になるかも知れないぜ?かなり強力な薬を強い酒で飲ませたからな」

「んっ…ひっ…あっ…ぃああっ!!」

「いいぜ政宗…そのままブッ飛んじまいな。もし狂っちまっても、俺が最後まで飼って遣るよ。お前は一生、俺専用の『女』だからな」

「やっ…あああっー!!!」

愛しい女にするように、白い胸元に食らいつく孫市の声。

しかし、その声は最早政宗の耳には届いていなかった。

2013/05/30(Thu) 19:20  コメント(0)

◆白紙(幸政) 

「幸村、何故貴様がこのような…!!」

「自分に懸想する男の元に、無防備で来る貴方が悪いのですよ」

とっておきの茶葉が手に入ったと呼び出され、政宗は真田庄を訪れた。

初めは和やかに言葉を交わしていた二人だが、政宗の口から兼続の話が出ると突如幸村は政宗を床に組み敷いたのだった。


「ぁっ…離せ幸村!貴様も知っておる筈じゃ、儂は兼続と…!」

「その名を口にしないで下さい…今貴方を抱いているのは私なのですから」

「くっ…ううっ…!」

叱責するように激しく突き上げられ、政宗は出そうになる声を必死に殺す。

「っう…んんっ…!」

「矢張り初めてではないのですね…もう此処をこんなにされて」

「ひぁっ…ん!!」

後ろから犯されながら前を弄られ、政宗は思わず身を捩った。

「可愛らしい人だ…それを兼続殿が独り占めしていただなんて、本当に殺したいぐらいです」

肌を愛撫しながら呟く幸村の声色に、政宗は背筋が寒くなるのを感じた。

「ぅ…止せ…兼続に手を出すな!」

兼続も相当に腕が立つ。

しかし、幸村は武芸では鬼神と呼ばれる程の腕前だ。

その幸村に掛かっては、兼続とてどうなるかは分からない。

「不愉快ですね」

政宗の言葉に、幸村は苛立たし気に政宗の胸に爪を立てた。

「ぃあっ…!!」

びりりとした痛みと付随する快感に、政宗は白い喉を反らす。

「呼ぶな、と言ったでしょう?酷くされる方がお好みですか?」

「あうぅっ…厭じゃ、離せ!」

「厭がる割にはちゃんと反応されてますよ?兼続殿に、一体どれだけ抱かれたのですか?」

「う…っ…ゃ…あ…」

「今までどんな風にあの方に抱かれていたのですか?」

「…幸村…厭…っ」

「それでは答えになってませんよ?まあ良いでしょう。いずれにせよ、すぐに私の抱き方に慣れて頂く事になるのですから」

「あああっ…!!」

幸村の上に半ば座らされるような形で奥を犯され、政宗の喉から悲鳴が洩れる。

「ひっ……いやぁっ…!!」

体を固定され逃れる事も出来ぬまま、政宗は最奥を押し広げられる感覚に身悶える。

「ああ、政宗殿…気持ち良いです…」

「んんっ…!!」

うっとりと腰を使う幸村に口づけられ、政宗の頭は次第に霞がかってくる。

「はぁっ…ああっ…!!」

「それにしても華奢な体ですね、気をつけないと壊してしまいそうだ」

「うぁっ…あうぅっ……!」

「もっと感じて下さい…貴方の声を聴きたい」

「んっ…んーっ!!」

弱点である胸を弄られ、政宗は首を横に振る。

「ああっ…あっ…いや…兼続…」

思わず口走ったその声に、幸村が眉をぴくりと吊り上げる。

「あっ…やっ…ひあっ…ああっ!!」

「余程手酷く抱かれたいようですね」

「ひっ…ああっ…ああっ…!!いやだ…兼続…かねつぐ…っ!!」

尚も兼続の名を叫び続ける政宗に、幸村の瞳は狂気に燃える。

「…良いでしょう。貴方を壊してしまわぬよう、優しく抱いて差し上げようと思いましたが…気が変わりました」

「あ……いやっ!!!?」

「記憶を全て塗り替えて差し上げますよ、二度と兼続殿の事など思い出さないようにね」

「止めっ…幸村…厭じゃっ…ああっ…やっ…!!」

「政宗殿、私は今から貴方を壊します」

「ひっ…!!やあっ…助けて…兼続…兼続…あっ…あああーっ!!!」


声の続く限り、政宗は兼続を呼んで泣き続けた。

しかしやがて力尽き、幸村に弄ばれるだけの空虚な愛玩人形と化したのだった。

2013/05/29(Wed) 12:22  コメント(0)

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