無双的駄文
□※愛のお仕置き部屋其弐/清三編
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「Σ痛…っ」
頭に痛みを感じて目を開けると、部屋はすっかり薄暗くなっていた。
どうやら清正は、座禅を組んでいる内に再び眠ってしまったらしい。
今の衝撃は、自ら壁に頭をぶつけた時のものだったようだ。
「三成…」
ぼんやりと目を凝らすと、明かりを灯した机に向かう華奢な背中が見えた。
「まだやってたのか」
小さく溜め息を吐くと、清正は軽く体を起こす。
すると、
「ん?」
清正の肩から何かが滑り落ちた。
「これは…」
落ちたそれを拾い上げ、思わず三成の後ろ姿を再度見遣る。
改めてよく見れば、その肩には三成が先刻迄着ていた衣はなくなっていた。
「みつ…」
開き掛けた口を、清正は慌てて噤んだ。
ここで衣を掛けてくれた礼を言ってしまえば、不器用な三成はまた喧嘩をふっかけて来るに違いない。
清正は気づかれぬよう忍び笑った。
これだから、奴を嫌いにはなれないのだ、と。