無双的駄文
□※織女惜別/兼政
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兼続の言葉に、政宗はびくりと肩を揺らす。
驚いたように見上げると、隻眼に映った兼続の顔は、最早怒りではなく深い悲しみに満ちていた。
「兼…続」
ややあってから、政宗の絞り出した声は、酷く弱々しいものだった。
「何とか言え、政宗」
咎めるように、兼続は政宗の言葉を促す。
「……」
「…言えぬか」
石のように押し黙った政宗に、兼続は更に詰問する。
「政宗」
「儂は……!」
政宗の右目から、一粒の涙が零れた。
慌てて顔を伏せようとする政宗の肩を、兼続は掴んで上を向かせる。
「私が気づかぬとでも思ったか」
兼続の瞳に、剣呑の炎が揺れた。
「今日…お前は、別れを告げに来たのだろう。いや…黙って消えるつもりだったのか」
そう言って動きを止めた唇に、政宗の顔が蝋のように蒼褪める。
「どう…して」
「何故だと?お前の事だ、それ位分かる」
それ以上の言葉を失った政宗に、兼続は続ける。
「初めてお前から抱かれに来たのは…口づけを求めてきたのは…最後の逢瀬だからという訳か」
怒りを圧した低音を震わせ、兼続は鋭い瞳で政宗を射抜く。
「みくびるな…!!」
「っ…!」
凄まじい程の怒気を浴びて、政宗は体を固くする。
その剣幕に、今度こそ拳で殴られるのを覚悟した。
が…ー。
予想に反して政宗に与えられたのは、貪るような口づけだった。
「んっ…//」
何故に、と問い掛けようとする間も無く、政宗は侵入してきた熱い舌に意識を攫われる。
「んっ…ん…!」
何とか離れようと試みるも、顎を掴まれ歯列をなぞられると、下腹からぞくぞくとした感覚が這い上がってくる。
「…っーん…んん…っ//」
舌を引こうとすれば追いつかれ、更に深く絡め取られて頭が痺れる。
そうこうしている内に、兼続の指は肌を滑って政宗の敏感な胸の突起に触れた。
「んっ…んんんーっ!!」
急激な刺激に息を洩らす相手に構わず、兼続はそれを摘み擦り上げ、爪の先で押し潰す。
「っ…ひ、ぁ…っ」
身悶えした拍子に解放された唇は、たまらず甘い鳴き声を上げた。