無双的駄文
□竜の味噌汁/兼→政←幸
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日差しが穏やかなある日の午後…
ー伊達政宗の屋敷ー
「何故兼続がここにおるのじゃーっ!」
庭に面した長廊下に、政宗の怒号が響き渡る。
「煩いぞ山犬」
声を荒らげる政宗とは対照的に、涼しい顔の白服の男。
「何だその言い草は。招かれて、遠路遙々来てやったと言うのに」
「じゃからっ招いてなどおらぬと言っておろう!!」
轟々と吠える政宗と兼続の間に、対から歩いて来た孫市が割って入る。
「まあ、その辺にしとけよ政宗」
お客さんがお待ちだぜ、と孫市は自らの後ろを示した。
孫市の後ろには、大槍を持った大男と、六文銭の鉢金を付けた青年が立っていた。
「いやあ、相変わらず派手にやってるねぇ」
「政宗殿、本日はお招き頂き有難う御座います」
「おお、慶次に幸村、待っておったぞ」
兼続に向けて殺気を放っていた政宗の目元が、二人へ向けられふわりと緩む。
「今日はお前さんの手料理を食わせて貰えるって本当かい?」
楽し気に笑う慶次に。
「無論じゃ!腕によりをかけて持て成してくれるわ」
楽しみだねぇ、と慶次に言われ得意そうに微笑む政宗。
そんな政宗に、幸村の頬も思わず緩む。
が、その平和な雰囲気に、横槍を入れるのは矢張り彼の人。