気まぐれ協奏曲

□学生の本分は勉学です
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「何しているんですか?」
「何している様に見えるの?」
「真摯な態度で机上に向かい、ノートに筆を走らせる様は、まるで現代の二宮尊徳ですね」
「別に賛辞を述べろとは言ってないよ!しかもその人誰!?」
「『人との円滑なコミュニケーションをとる十の方法』に、とりあえず人を褒めろと記してあったので、実践してみました」
「とりあえず、ってのは言わなくて良いと思うよ。褒めるにしても、なんか特殊だったし。あとさ、質問を無視しないでくれる?」
「有名ですよ?そこここに像があったりしますし。知ってるとは思いますけど」
「でも聞いたことないけど?…何をした人?」
「んー、一般に勉学に勤しむということが有名です」
「もしかして、二宮金次郎?」
「はい。通常そちらで呼ばれますね」
「じゃあそっちで呼んでよ!ポピュラーな方を言ってよ!」
「私は本名をチョイスする子です」
「偉いっちゃあ、そうだけど、話が進まない!」
「今の会話、とても不毛でしたね。ビバ不毛!」
「あのねぇ…!」
「何の勉強ですか?それ」
「え…あー、コレ?」
「はい」
「模試だよ」
「模試なんて、ありましたっけ?」
「一年生は無いよ。まだ新入生だからね。二年生以上は今月にあるんだよ」
「3へぇー」
「ト●ビアか。しかも古い」
「面倒ですね、模試」
「まあね。でも今回はマークシートだし」
「少し緊張が和らぎますよね、マークシートって。何だか、大丈夫な気がして」
「うん。まあ、実際は何とかならないけどね」
「テストですからね。ところで、もう志望校は決めたんですか?」
「ん?うーん、まあ一応はね。でもまた後で決めるだろうね」
「どこですー?というか、理系と文系どっちですか?」
「僕は文系だよ」
「男子で文系は珍しいですよね。国語は得意ですか?」
「まあ、得意かな。でも僕は歴史派かな。でも数学も得意だよ」
「そうですか。私は数学嫌いです」
「公式覚えりゃ、誰でも出来るよ」
「そんな簡単に言わないで下さいよ」
「まあまだ君は先の事だし、まだまだ良いんじゃない?」
「さいですか」






雑学は豊富

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