気まぐれ協奏曲

□期限はきちんと守りましょう
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「遅いぞ」
「すみません」
「まあ、二日遅れか。見逃してやるか」
「ありがとうございます」
「ただし、今日もう行けよ」
「どこにですか?」
「…お前は何部にしたんだ」
「芸術科アートデザインクラブです」
「大丈夫か?」
「冗談です」
「美術部はどこでやるか分かってるか?」
「はい」
「部員数、少ないけど頑張れよ」
「はい。ところで 部員は何人ですか?」
「お前合わせて二人だな」
「少ないですね。廃部しそうです」
「この学校は0人でも廃部させないから、安心して行け」
「分かりました。失礼しました」

コンコン(ノック音)
「失礼します」
「…あ」
「あ…」
「この間の一年生」
「先日の上級生」
「僕は二年だよ」
「二年生さん、何故ここに?」
「丁度 今が放課後だからじゃないの。君は?」
「先生に先程促されたから故にここに来ました」
「君、美術室部なんだ」
「先輩、無駄に勘がよろしいですね」
「後輩、口が悪いね」
「性格も悪いです」
「そう」
「何故、美術部だと、分かったのですか?」
「君の脈絡の無さは天下一品だね。ここに放課後、促されて行くのは部活ぐらいでしょ、今の時期。しかも君、新入生だし。大方、入部届けを今日出したんじゃないの?」
「100点ですね。その通りです」
「威張れないからね?」
「先輩、美術部ですよね」
「まあね」
「部長は先輩ですね」
「必然的にね。ね、副部長?」
「私、副部長ですか?」
「二人だけだし」
「二人だけなのに、副官いります?」
「ぶっちゃけ いらない」
「ですよね」
「でも、良いんじゃない?」
「そうですね。私も肩書き欲しいです」
「名前だけ、だけどね」
「十分です」
「そう」


楽観的な副部長

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