気まぐれ協奏曲

□初めまして
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「…ねぇ」
「…?」
「それ、違うんだけど」
「それって…、これ?」
「それ」
「…何が…、あ」
「学年、クラスが」
「違いますね」
「君、1年じゃないの?」
「そう見えますか?」
「…2年?」
「ぴかぴかの1年生です」
「…」
「すみません」
「返してくれる?」
「純粋なあの心を?」
「…」
「ごめんなさい」
「日誌」
「ボールペンで書いてしまいました」
「どこまで?」
「およそ 全てですね」
「馬鹿だね」
「はい」
「…肯定しなくても」
「言い訳としては 蛙のめかり時でしたので」
「?何それ」
「春の眠くて堪らない時期のことです」
「あっそう」
「冷たいですね」
「君と話していると、そうなるよ」
「因みに因むとですね、今日の午前3時に就寝したのも理由の1つに挙がります」
「それの性だよ」
「はい。とても眠いです」
「ここで寝ないでね」
「多分大丈夫です」
「ここで寝たらすごいよ」
「私も立ちながら、会話中に寝る器用さはありません」
「無くて良いよ」
「日誌ですけど」
「…うん?」
「どうしましょう」
「君の脈絡の無さがどうしましょうだよ」
「すみません」
「…1ページあげるから、君も何も書いて無いページ頂戴」
「…あ、成程」
「これで君はもう書かなくて済むでしょ?」
「はい。ありがとうございます」
「もう やらない様にね」
「善処します」
「注意してね」


大胆不敵な1年生
 

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