気まぐれ協奏曲

□花の盛りはすぐ消える
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「何を描いているんですか?」
「目の前」
「桜ですか」
「うん。久しく水彩画をやってなかったし」
「もう散ってますよ」
「見れば分かる」
「芳春じゃありませんよ」
「何それ」
「花の盛りの春と、部長に欠落しているものです」
「後者が無駄に引っかかるんだけど」
「何の事でしょう」
「腹立つ。何、画力とか抜かしたら、はっ倒すよ」
「大丈夫です。違います」
「え、じゃあ善意?」
「自覚ありですか」
「違うから。君の言いそうな事にピント合わせてるだけだから」
「えー」
「はいそこ黙れ」
「正答率悪いですねー」
「まだ二つしか言ってないよ」
「ハイ、他には?」
「…、コミュニケーション…?」
「ハイ惜しいー」
「なんかムカツクんだけど!ていうか惜しいって」
「どんどん行きましょー」
「ちょ、ヒント!ヒント」
「えー、ヒントですかー」
「何そのあからさまに嫌そうな顔」
「仕方ありませんねえ。んーと…」
「十分仕方あるんだけど」
「ずばり青ですね」
「はい無理ー。わかんないよ!何故色!」
「頭固いですねー。□い頭を○くして下さい」
「日●研か」
「私、ST●Pでした」
「だから何!」
「青ですよー、春ですよー。もうこれ以上のヒントは銀河に存在しません」
「範囲広!何その自信!」
「もう私、ある意味答え言ってますよ?」
「え?あーうー…ん?…ああ」
「…どーです?」
「青春?」
「正解でーす」
「失礼だね君!ていうか君も青春してないでしょ!」
「ふ、私は日々進化しているので問題無いのだ」
「何キャラだよ!」
「部長は青春しないまま終わりますね。人生」
「てめぇ!」
「あはははは」
「よし、そこ動くなよ。今から油絵の具ぶちまけるから」
「あたりませーん」
「待てコラ!」
「あははははー」





されど次の花が咲く

 

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