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□イケナイお薬でイキましょう
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「お、お断りしますっ」
「えー、何で?」

 ここはハッキリさせておかなければならない。

「イかせるんです16号って、あのスライムですよね?得体の知れない物体の体液で作った薬なんて、怪しくて飲めません」
「えー、でも…」
「それに!飲んだら絶対またとんでもないことをされるに決まってます」
「とんでもないことって?」
「それは、その…手で、とか…先とか…」
「手こきと尿道責め?」
「そんな、ハッキリと言わなくても…」

 そう。2週間前、助手としての初仕事は、基礎データの計測と言う名目で、加東が作ったスライムに無理矢理イかされるという、屈辱的なものだった。
しかも、ただイかされるだけでなく、強引に性欲を引き出された挙げ句、寸止めされ、あられもない姿にされてしまったのだ。
そんな事態は二度とごめんだ。
だから断固拒否しなくてはならない。

「今回は飲むだけ。何もしないって約束するからお願いっ」
「嫌です」
「…うーん、そんなに嫌なのかぁ」

 ようやく諦めたかと安心していると、突然ペットボトルの水を煽り、薬を2〜3錠口に放ってしまった。

「せっ先生!?」

 俺が飲まないから自分で飲んだ!?と思ったら…

「大丈夫なんっ…んぐっ!?」

 しっかりと顎を掴まれ、唇を塞がれる。
次の瞬間、冷たい水が喉に流れ込み、勢いに負け、俺が錠剤を飲み下してしまった。

「ゴホゴホッ…先生っ!!!」
「こんなことしたくなかったんだけど、ごめんね?」

 冗談じゃない。“ごめんね?”で済めば警察はいらない。
って言うか、よく考えたら今のって、口移しなんじゃ…?

「そんなに怒らない、怒らない。この薬は、超即効・超強力・超持続だからすっごく気持ち良くなれちゃうんだよ」
「俺は別に、気持ち良くなりたいわけじゃありませんっ」
「まぁまぁ、すぐに何も考えられなくなるから大丈夫。ね、そろそろ効いてきたんじゃない?」

 ダメだ。研究が絡むと常識もモラルも排除されて、話が通じなくなる。

「そんなすぐに効くわけ…あれ?…嘘」
「ふふふ…」

 まるで魔法にかかったように体温が上昇していくのが自分でも分かる。
心臓がドキドキうるさい。

「…はっ、はぁ…ん」
「呼吸が荒いね。汗もかいてる」
「ふぁっ!?」

 加東が汗を拭おうと首筋に触れられただけなのに、ゾワゾワと全身が粟立つ。
その感覚は紛れもなく快感だ。

(おかしいおかしい!!俺の身体は一体どうしたんだ!?)
 
 
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