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□introduction
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支度を済ませてリビングに下りると、既に朝食の準備が出来ていた。
「おはよう、秋人」
スーツ・黒髪・眼鏡にエプロン姿で朝食を作るのは、高宮家長男千春、25歳。
クールなエリートだが、秋人の前ではただのヘタレである。
(ヘタレって言うな!)
「おはよう、春兄…」
「秋兄ちゃんおはよう、大丈夫?」
天使のような微笑みを浮かべているのは、高宮家四男美冬、13歳。
可愛らしい顔をしているが、腹の中は夜の闇よりどす黒い悪魔である。
(黙れ…)
「おはよう、美冬。夏兄のせいで、毎朝毎朝疲れる…」
その時、タイミングを合わせたかのように夏樹がやって来た。
「お、秋人支度出来た?今日も可愛いなぁ!チューしちゃおう♪」
「ぎゃー!やめろってば!!」
朝から暴走気味の夏樹に、拳が飛ぶ。
「いってー!!秋人はともかく、春兄に美冬何すんだよ!?」
「夏樹は朝食抜きでいいな?」
「え…」
「食事が不味くなるから消えて?(ニッコリ)」
「え…」
「もうっ!!3人共いい加減にしろ!!」
(((怒った顔も可愛い…)))
秋人は気付いていない。家の中は変態だらけであることを…。