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□オシャレは足元から
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「何、これ…?」

 無表情のまま、晃の美しい顔がヒクヒクと引きつる。

「何ってタイツだよ。…えっ、まさか知らないの!?」
「そんなこと知ってる!女性の履き物がどうしてここにあるのかって訊いてるんだよっ!!」

 自分の研究以外無関心な晃だ。
無きにしもあらず!と思ったが、流石にタイツは知っていた。

「だって今日は11月2日だよ?」
「…だから?」
「えぇっ!何の日か知らないの!?」
「むっ…」

 晃は俺に知った風に振る舞われるのが嫌いらしい。
と言うか、自分より知識のある人間が嫌いという、かなりのわがままだ。


「今日はタイツの日!こんなの常識だよ」
「なっ、それくらい知ってるよ。只…忘れてただけだっ」

 あぁ、なんて可愛いんだ…。
『タイツの日』なんてマイナーな記念日、タイツを作ってる会社の社員達でさえ知らなさそうなものを…。

 晃のプライドの高さは時に弱点と化す。
そして俺は、その弱点をまんまと利用するのだった。

「ふーん…。じゃあ、勿論これも知ってるよね…?」
「…?」
 
 
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