main

□introduction
1ページ/11ページ


 小鳥のさえずりと共に、今日も爽やかな朝が始まる。

「ぎやぁぁぁー☆◎▲※&$%…!!!」

 爽やかな…

 高宮家の朝は、いつも騒がしい。

「夏兄!!何で毎朝毎朝俺のベッドにいるんだよ!?」

 絶叫の主は、高宮家三男秋人、16歳。
見た目も中身も平凡な高校生である。

(平凡で悪かったな!)

「いててて…そりゃ、可愛い秋人の天使のような寝顔を覗きに…じゃなくて、そろそろ時間だから起こしに来たんだよ」

 そして、秋人の寝込みを襲い、鉄拳を喰らったのは、高宮家次男夏樹、22歳。
秋人への愛は既に変態級である。

(だって秋人が可愛過ぎるんだもん!)

「だから!起こしに来た奴が何で一緒になって寝てるんだ!!」
「いやぁ、可愛いな〜と思って眺めてたらついウトウト〜、と」
「“つい”じゃねぇよ!!…ったく。おまけに、寝ぼけて彼女と間違えてるだろ!?体中触りまくってくるし」
「え、それは別に間違ったわけじゃなくて…ついムラムラ〜、と」
「もうっ!着替えるから出てって!」
「あ、兄ちゃんが手伝ってあげr…わぷっ」
「さっさと出てけっ!」

 枕を投げ付けられ、トボトボと出て行ったが、着替えで半脱ぎ状態の秋人を、気付かれないようケータイのカメラにしっかりと収めているあたり、全く反省していないようだ。
 
 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ