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□introduction
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小鳥のさえずりと共に、今日も爽やかな朝が始まる。
「ぎやぁぁぁー☆◎▲※&$%…!!!」
爽やかな…
高宮家の朝は、いつも騒がしい。
「夏兄!!何で毎朝毎朝俺のベッドにいるんだよ!?」
絶叫の主は、高宮家三男秋人、16歳。
見た目も中身も平凡な高校生である。
(平凡で悪かったな!)
「いててて…そりゃ、可愛い秋人の天使のような寝顔を覗きに…じゃなくて、そろそろ時間だから起こしに来たんだよ」
そして、秋人の寝込みを襲い、鉄拳を喰らったのは、高宮家次男夏樹、22歳。
秋人への愛は既に変態級である。
(だって秋人が可愛過ぎるんだもん!)
「だから!起こしに来た奴が何で一緒になって寝てるんだ!!」
「いやぁ、可愛いな〜と思って眺めてたらついウトウト〜、と」
「“つい”じゃねぇよ!!…ったく。おまけに、寝ぼけて彼女と間違えてるだろ!?体中触りまくってくるし」
「え、それは別に間違ったわけじゃなくて…ついムラムラ〜、と」
「もうっ!着替えるから出てって!」
「あ、兄ちゃんが手伝ってあげr…わぷっ」
「さっさと出てけっ!」
枕を投げ付けられ、トボトボと出て行ったが、着替えで半脱ぎ状態の秋人を、気付かれないようケータイのカメラにしっかりと収めているあたり、全く反省していないようだ。