Identification case(未完)
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――僕は考えていた
昨晩の爆破事件を
非常に短絡的で簡易的な作りだった起爆装置
1課と鑑識が到着するまでの時間に検証していたのだけれど、あまりにも粗末すぎる
起爆のタイミングは遠隔操作でも時限でもなかった
燃えている草木を見て気づいたのだが紐のような物を起爆装置とくくりつけ、紐の先端に火をつける
紐が徐々に燃えて行き、そして・・・・着火
非常に簡易的すぎる
「よぉ木村、ココいいか?」
フと顔を上げると桐沢課長が立っていた
「あ・・はい!どうぞ」
「悪いな」
桐沢課長はニカッと笑うとテーブルを挟んで僕の前に座った
「食欲ないのか?箸が進んでないみたいだな」
「いえ、考え事をしていただけです」
食堂で少し遅めの昼食を取りながら考えていたものだから、いつの間にか手元にあるうどんはすっかり冷めていた
「木村、お前に聞きたい事があるんだが」
「はい」
「お前、最近及川と仲いいらしいがアイツに最近変わった事ないか?」
正直ドキリとした
進展さえしてないものの、勝手な単独捜査がバレたのではないのかと
そんな自分を隠すように心の中で深く深呼吸をする
「・・・いえ。どうかされたんですか?」
「・・・いやな?1課から最近1課が担当する事件現場付近でたまに及川を見かけると苦情がきてな。仲がいい木村なら何か知らないかと思ったんだ」
「・・・いえ知りません」
「そうか」
しばらく互いに無言になるものだから、食事の音が余計に大きく聞こえて耳に留まる
しかし僕は冷えた不味いうどんの味さえわからないくらい緊張をしていた