Identification case(未完)
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爆発物の破片の一部が赤く変化しているのは、破片自体鉄製のものをコーティングしてあり、鉄の部分が何かの化学反応により赤く変化している事がわかった
それは単なるサビではないのはすぐにわかったがそれが何なのか、鉄を赤く変化させた成分は果たして何なのか・・・
一番重要であろう部分がわからない
次の日に事件担当である田代くんに僕達が見つけた(田代くんには興味本位で僕だけがビルに立ち寄ったと告げた)破片を渡し、赤く染める成分を互いに求め続けたが、互いに答えは見つからなかった
思いついたもの全てが納得のいく答えに合致しなかった
暗礁に乗り上げる
まさにそれだった・・・・
「あの日見つけた破片から何かを見つけ出せればいいのですが・・・すみません」
『いえ・・・私こそあの後聞き込みをしているんですが情報を得られず』
就業後、駅前のカフェで及川さんと会い状況を報告しあう
しかし互いに相変わらず進展はなく前に進んでいない
『1課も行き詰まってるみたいです』
「そうでしょうね・・田代くんも頭を抱えています」
2人して大きくため息をついた時だった
「あれ?麻奈ちゃん?」
「お疲れ様です。珍しい組み合わせですね」
声の方を見ると八千草さんと京橋さんが並んで立っていた
『え・・瑛希くん?き・・京橋さん?』
「おや?及川さん・・何を慌ててらっしゃるんですか?お2人がそんな関係だとは気づきませんでした」
「わお♪2人付き合ってるの?」
『へ?いやいやいや・・・違いますから!たまたま会ったんですよ・・ね?木村さん?』
--ズキン
胸が鈍く痛む
たまたま会った以外は本当だ
付き合ってなんていない
本当の事なのに
胸が痛い
「本当ですよ?偶然お会いしてお話をしていただけですから」
ただそれだけを言うのに精一杯だった