Identification case(未完)
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数日後、僕と及川さんは先日爆破事件が起きた雑居ビルへと足を運んだ
現場検証から始まる一連の作業は既に済み、ビルにはまた以前のように立入禁止の看板が立っていた
僕達は辺りを見回して人がいないのを確認すると、ビルの中へと足を踏み入れた
「おそらくここですね」
2階のとある部屋に着く
窓が割れ、壁にも少しの亀裂が入っており床には何かが焦げたような後がある
「威力としては中(レベル)ですね・・・」
持ってきた手袋をはめて床や壁に触れる
窓や壁の状態からみて思ったよりは威力が小さい事がわかる
『誰も何もないこんな所で犯人は何故、何を目的にこんな事を続けるんでしょうか』
焦げた床の部分に触れながら及川さんが呟く
『こんな事を続けていたらいつか怪我人が出るかもしれない・・最悪な事が起きるかもしれないのに・・・』
「おっしゃる通りです」
本当にこんな事が続いていたら、及川さんの言う通りいつかは死亡事件に繋がってしまうかもしれない
何の関係もない一般市民がまきぞえにもなりかねない
いつの間にか僕達は1課を見返すという及川さんの思いより、刑事として警察として一刻も早く事件を解決しなければいけないと強く思った