Identification case(未完)
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あの後、及川さんの部屋を出た僕は自宅に戻らずそのまま警視庁に出勤した
自宅に帰ってもどうせすぐ出なければいけない
それなら・・・と思った
「しかし木村が朝帰りだとはな」
「佐々木さん!言葉が悪いですよ・・朝まで知人と飲んでたんです・・」
佐々木さんは鑑識の補佐
僕の上司
普段は明るくて冗談ばかり言ってる人だけど、鑑識に対する情熱と手腕に僕は尊敬してる
気になる仕事があったようで佐々木さんも早くから部屋にいた
「女か?・・まさか木村に限ってな!ワハハ」
豪快に笑う佐々木さん
そのまさかで相手は及川さんだと何故か言えず、僕はつられて笑った
「あれ?あそこで1課に囲まれてるのって及川じゃないか?」
佐々木さんの視線の先を追うと及川さんと1課の徳田さん、園田さん、浦田さん
の4人だったが、あからさまにただの立ち話ではなさそうだった
及川さんが3人に対して頭を下げている
「また及川はドジ踏んだか?可哀相にアイツらに目をつけられるとは」
佐々木さんはヤレヤレと同情混じりに笑っていたが、昨晩話を聞いていた僕は何故かいたたまれない気持ちになる
「佐々木さん、僕及川さんに用がありましたんで先戻ってて下さい」
そう告げると僕は及川さん達の方へと向かった