京橋 克之

□ポタージュ
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「結果的に振り回して傷つけてしまったこと、どうかお許しください」

及川さんとコンビを組んでの爆破事件の解決祝いが2課いきつけのモンステで盛り上がる途中、私はその輪から及川さんをこっそり呼び出して告げた

コンビを組んで私は私の周りにはいないタイプの及川さんに惹かれていた
予測の付かない行動をする及川さんは日が経つ毎に私の心を掴んでいった

しかし爆弾の仕掛けられた列車に及川さんが飛び乗った時、私は気づいた
もうあんな思いはしたくない
及川さんは2課の仲間の1人のままであったほうがいい…

及川さんのためにも
そして私自身のためにも

こうして私は及川さんに告げたのだ

思いの他に及川さんは笑顔だった

『そうですね…これからもよろしくお願いします…2課の仲間として』

そう答えるとまた盛り上がる輪の中に帰って行った
そして天王寺さんやボスにからかわれたりしながら楽しいお酒がすすむ姿を見て安心した







それから私と及川さんのコンビは爆破事件の解決と共に解消され、及川さんは天王寺さんと新たなコンビを組んだ

私は相変わらず水曜日以外は女性とお付き合いしており、及川さんと組む前と同じ日々を過ごしている


「今帰りましたぁ〜」

『ちょっと天王寺さん!自分の服くらい持ってくださいよ!…捨てますよ』

「お前ええ度胸やんけ!…こうしたるわ!」

聞き込みから2人が帰ってくると2課はあっという間ににぎやかになった
天王寺さんの服をゴミ箱に入れるふりをする及川さんの首を天王寺さんがプロレス技まがいに首を絞める

「お前ら仲いいな〜」

「本当にうるさいくらいだ」

「これが日本伝統の…」

「…夫婦漫才」

決してひがみとか嫉妬とかそういう類ではないが及川さんは私と組んでいた時より生き生きとしている気がする
胸がチクッとしたようだが気のせいだろう

決してひがみや嫉妬ではない
決して…
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