Sexual case
□FILE1
1ページ/4ページ
ほのぼのとした町の警察官から警視庁特命2課に異動になって、もうすぐ1年が経とうとしている
始めは仕事にも個性的なメンバーにも戸惑ったが、1年も経つと少しは馴染んできたかな?なんて少し自信家にもなる
カリスマ的統率力をもつボスの桐沢さん
プロファイリングが専門のメモ重視の花井さん
《現場には100回足を運べ》がポリシーの阪神大好き天王寺さん
頭脳明晰・・でもセクハラ魔王の京橋さん
無口だけど凄腕スナイパーの浅野さん
私が1番心許してる、カワイイけど推理力が半端ない瑛希くん
この6人に私は毎日鍛えられている
『桐沢さん、報告書できました』
「おっ?お前も早くなったな」
『えへへ』
桐沢さんに頭をポンポンと叩くように撫でられる
「あ!桐沢が部下に手を出してる!いやらしい〜」
声のした方を振り向くと2課のドアにもたれた野村さんが、大袈裟に驚いたふりをしていた
「・・・野村何の用だ」
野村さんにつっこむ事なくいつもと同じく対応する桐沢さん
野村さんは遊び相手を失った子供のようにつまらなそうな顔をして桐沢さんのデスクに近づいた
【野村忠信】
この特命2課を立ち上げた人で昔は桐沢さんのライバルでもあったらしい
普段は軽い感じのノリだけど上層部が一目を置いてるくらい頭脳明晰で行動力のある人だとも以前桐沢さんから聞いた
そして私に2課への異動を告げにきたのも野村さんだった
(よく見ると長身でスーツも着こなして顔もイケメンなんだよね)
桐沢さんに報告書を預け自分の席に着いた私は野村さんをジッと見ていた
そんな私の視線に気づいた野村さんがニコッと笑ってこっちを見た
「麻奈ちゃん?ジッと見つめて俺に惚れちゃった?」
『??!!』
野村さんの言葉で2課の全員が私を見る
『み・・見てませんっ!』
思わず顔を伏せてしまった
逆に見ていた事を認めてしまったかもしれない
野村さんを含め皆にニヤニヤされてる様な気がして当分顔が上げれなかった