cigarette case
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いつもの調子に戻った及川と笑い話をしながら先程手に入れた園内MAPを広げる
「おっ!スプラッシュがあるぞ!次はこれだな」
目に入ったアトラクションはスプラッシュ
これくらいなら大丈夫だ
さっきのジェットコースターに比べれば屁みたいなもんだ
男、桐沢!挽回してやる
『桐沢さん?これも最後に急降下しますよ?』
「これならギリギリ大丈夫だ!」
『ギリギリ?』
「っばか!余裕だ!よゆー」
危ねぇ・・挽回どころか墓穴掘る所だった
及川に気づかれないよう安堵の息を吐くとアトラクションへ向かった
「スゲー濡れたな」
前列に座った俺達は最後の急降下で結構水をかぶってしまった
そして互いに濡れた姿を見て笑い合う
ゆっくりとクルーザーが乗降場に着く
「ほら。捕まれ」
波で不安定に揺れるクルーザーから下りる及川に手を差し延べると答えるようにスッと手をとった
『・・ありがとうございます』
「・・・なぁ。今日はデートだしこのままでいいか?」
重ねられた及川の手を思わずギュッと握る
何故こんな事を言ったのかわからない
わかるのは握った及川の手が俺以上に熱かった事だけだった