cigarette case
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花井達には上手く話して俺と及川は定時に上がった
今日の資料室での出来事を八千草から聞いていたらしく俺が思っていたよりギャーギャー言われることなく及川は帰れた
何だかんだと言いながら結局あいつらも及川が心配なんだな
そう思いながら停めてあった愛車のエンジンをかけ、及川の待つ玄関口へ走らせる
玄関口には既に及川は着いていてきょろきょろしながら俺を探している
時に前髪を直すように触ったりして…
「やっぱり子犬みたいだな…」
クスッと笑うと助手席側の窓を開けた
「おう!」
『桐沢さんっ!』
一瞬ドキッとした
俺を見つけた時の及川の笑顔…
今のは反則だ
男前に行動し、俺達以上に男前に食べるお前が今は子犬でもなく、男前でもなく…
可愛い女だった
「まー乗れよ」
『お邪魔します』
照れ隠しで少しぶっきらぼうな言い方をしてしまったが及川はニコッと笑い助手席に乗った
『桐沢さんの車って想像と違ってました。てっきりVIP車とかヤン車だと』
「だからその考え捨てろ」
『はい!総長!』
「捨ててねぇ!」
ふざけ合ううちに自分でも気づいてなかった緊張が溶けたのがわかった
「さて・・とデートといったらどこに行くんだ?」
『え〜食事とかドライブとか遊園地とか・・ですかね?』
食事・・ドライブ・・
ああ、それなら時間も時間だし飯でも食いに行ってドライブでもするか
こんな時、野村なら気の利いたトコに連れて行くんだろうな
今だけ野村を羨ましく思った
「よし!じゃあとりあえず飯に行くぞ!」
及川がシートベルトをしたのを確認するとアクセルを踏んだ