cigarette case

□FILE3
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あれから3日が経った
俺たち全員、特にこれと言った進展はなかった
以前捕まえた男はなかなか強情なのかまだ口を割らない

まぁ長期戦になると思ってはいたが・・

朝の通勤や通学で多少人通りのでてきた住宅街に俺はいた
ここは俺が男を取り逃がしてしまった場所
とある情報より、気になる事がありここで張り込んでいる


ん?
数メートル先の角に見慣れた姿があった

・・・やっぱりな

大きく深呼吸をしてから数メートル先で大きくため息をつき、うな垂れている見慣れた後ろ姿に近づく

「おいっ!」

『ひゃぁぁぁ!…きっ・・桐沢さん!!』

「やっぱりなこんな事だろうと思った」




俺が男を取り逃がし、及川が足を怪我した翌日だった
朝の挨拶そこそこに京橋が

「フフフ。及川さん昨日はお楽しみだったんですか?いつもと反対まわりの電車で通勤なんて」

とからかうように不適な笑みを浮かべて話しかけた
一瞬耳を疑った
何だか複雑なモヤモヤした感情が起きた
及川の焦った顔が尚一層モヤモヤを引き出す
でも及川もイイ大人だし、上司の俺が発言するようなことではないしと自分に言い聞かせた

その次の日の昨日も及川には珍しく天王寺のように朝のミーティングぎりぎりに入ってきた
そしてまた京橋にからかわれている
また泊まりだったのか…と及川を見る
また焦っている及川
しかし妙な違和感を感じた
京橋に答える及川に違和感を感じた

(…!!!)

そこでやっと俺は気づいたというわけだ
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