cigarette case
□序章
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「・・・というわけで、今日から配属になった及川だ。」
『及川麻奈です。よろしくお願いします!』
強張った顔で深々と頭を下げて・・
コイツかなり緊張しているな(笑)
はじめは俺もこんなんだったのかなぁ・・って、考える自体オヤジになったな、俺。
「いや〜しかし、おまえら全員顔見知りとはな」
『いえ・・警部。先程庁舎内で偶然にお会いしたばかりです。』
深々と下げていた頭を上げて及川がクルッとこっちに顔を向けた。
「とにかくまぁ、よろしくな。すぐに馴れるさ、コイツら全員イイ奴だしな。とりあえず自己紹介しとけ」
肩をポンと叩くと及川は少し緊張が解けたみたいだった。
「花井だ。よろしく」
「天王寺や!そやけどお前みたいなちっこいんが大丈夫か?足ひっぱんなや」
「よろしく★麻奈ちゃん!瑛希って呼んでね」
「京橋です。わからない事は是非私にお尋ね下さい。手とり足とり隅々まで教えて差し上げます。」
「・・・よろしく」
「で、さっきも言ったが桐沢だ!ちなみに警部と呼ばなくていい。堅苦しいからな」
ほんの数日前、上司であり悪友である野村から説明もなく急な人事異動を告げられ驚いたが、及川の真っ直ぐで綺麗な瞳を見て俺は安心した。
きっとコイツならやっていけるだろう