Lovers Collection
□背中から抱きしめて
4ページ/4ページ
"ふわっ"っと背中に温かさを感じる。
野村先生が後ろから私を抱きしめていた。
「愛菜。俺に言いたいこと、全部言っていいんだよ?俺はみんな受け止めるから」
後ろからそっと囁かれる。
「っ!!」
先生の吐息が耳にかかってドキドキする。
「もっと・・・」
「ん?」
「もっと・・・私を見てほしい」
「ちゃんと見て・・・もっと独占してほしい」
言ってしまってから少し後悔する。
「可愛いなぁ。愛菜は」
先生は私を抱きしめたまま言った。
「ど・・・どうせ子供っぽいもん。先生からしたら私はコドモだし」
「それ・・・本気で言ってる?」
「えっ?」
「照れくさいからそのまま聞いて。俺、愛菜がコドモだなんて思ったことないよ?・・・確かに最初は可愛い生徒だったけど、今は違う。これでも誰かに盗られるんじゃないか、とか・・・やっぱ男子生徒のほうがいいんじゃないか・・・とか、心配なんだよ」
いつも女の子にモテて飄々としてる先生なのに・・・
私のこと、すごく大切にしてくれてるのが
背中から、先生の言葉から伝わった。
「先生・・・ワガママ言ってごめんなさい」
やっと言えた素直な気持ち。
「いいんだよ。愛菜にはもっといっぱいワガママ言って甘えてもらいたいから」
「野村先生・・・」
振り帰ると、先生の優しい瞳とぶつかった。
「やっと・・・振り向いてくれた」
先生が嬉しそうに笑う。
そのままキスされる。
私はまた、この優しさと野村先生に溺れる・・・。
-END-