Lovers Collection
□背中から抱きしめて
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ことの始まりは簡単だ。
私と野村先生は、学校にナイショで付き合っている。
私は生徒で野村先生は教師・・・。
こんな関係を人に言えるわけもなく。
野村先生はすっごくイケメンで、女の子に優しいフェミニスト。
今日だって・・・
女子生徒達に囲まれて楽しそうで・・・。
わかってるの。
先生が悪いんじゃない。
ヒミツの恋だから余計に不安になるの。
先生に寄ってくる女の子達にヤキモチ妬いてるだけ。
誰かを凄く好きになると
些細なことで不安になるの
だから・・・拗ねたフリして先生を試してる。
「愛菜。そろそろ機嫌直してよ、ね?」
「・・・」
「愛菜。なんで怒ってるの?」
・・・やっぱり先生には私の気持ちなんてわかんないよね。
「愛菜。・・・俺はキミともっとちゃんと付き合いたいんだよ。良いことも悪いこともみんな含めて・・・」
「野村先生・・・」
でも、意地っぱりで可愛くない私・・・謝るタイミングがわからない。
(先生、呆れちゃうかな・・・)
下を向いて、スカートをキュッと握りしめる。