短編
□希望を捨てないで
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みんなは・・・?
地面が揺れて、歩いていた私は激しく地面に叩きつけられた。
みんなは・・・どうなったの?
私は一人で歩いてた。
周りには、顔も知らない人が数人いた。
でもその中の何人かは・・・見えなくなってしまった。
瓦礫に目をやる。
・・・手が見えた。
人の手が見えた。
「・・・大丈夫・・・ですか?」
震える声で言ったけど、声は帰ってこない。
「お嬢ちゃん、早く逃げな」
近くにいた女の人が私に声をかけた。
「でも・・・この人が・・・」
私は瓦礫の下から見える細い手から目を離せない。
「こんなに酷い地震なんだ。早く逃げなきゃ、あんたも死ぬよ」
・・・死ぬ・・・か・・・
私は、走る気力がわかなかった。
さっきだった。
私の好きな人の総悟と、親友の神楽が付き合ったと聞いたのは。