短編
□卒業アルバムって、じっくり見ると恥ずかしかった
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「卒業・・・かぁ・・・」
無意識に呟いた。
この銀魂高校の卒業式は、明日に迫っていた。
日直の仕事を終わらせたら、教室に一人だけの状態。
周りを見渡す。
教卓も、生徒一人一人の机も、棚も全部、もうお別れなんだ。
後ろから何かで叩かれる。
「っ!?」
「なに間抜けなツラしてんでィ」
・・・総悟。
「日直の仕事サボって、何してたの!?」
そう。
今日は総悟と日直の日だった。
「風紀委員の集まりでさァ。まぁ、サボってやしたけど」
「結局そっちもサボってるんじゃん!」
私は荷物を全部カバンに詰めた。
総悟はいつもこうだった。
私に面倒なことを全部押し付ける。
こうだった・・・か・・・
もう過去形になってきてるじゃん。
私はバックを持つと、無言で教室を出た。
靴を履いて外に出ると、少しだけ桜が咲きかけていた。
・・・咲いてくれたら、盛り上がるのに。
私の気持ちは沈んだまま。
・・・・・・もう、総悟ともお別れになる。