* 僕だけの Lady *

□僕だけの Lady
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翌日―



みやちゃんが“僕”を卒業パーティーのパートナーに選んだ事が、既に構内で大きな話題になっていた。


だって…





みやちゃんは、
 
―― 有名人だから ――








幼稚園でも、小学校でも、
みやちゃんは明るくて楽しくて誰にでも優しくて“みんな”の人気者だった。

中学でも、高校でももちろんそうだったけど、やっぱりこの頃になると


“男女の比重”と“人気の意味“が違ってきて‥‥





大学生になると

みやちゃんは、ますます輝いていって…


男子たちの態度は“あからさま”で…




僕だけが―


なんにも変わらなくって‥‥‥


そんな自分が情けなくて、恥ずかしくて


ただ


見ているだけしか、

想っているだけしかできなくて・・・・





気がついたら


みやちゃんは

“ミスキャンパス”

なんていう

僕みたいな人間には絶対に手の届かない


―― みんなのアイドル ――

になってしまっていたんだ‥‥






そんな彼女が
僕みたいな人間をパートナーに選んだんだから、話題になるのも当然なんだろうと思う…



でも


聞こえてきた“彼らの噂”に、
僕は

『彼女が本来なら有り得ないよ
 うな選択をした理由』

を至極当然だと納得し、また―



ひどく落胆することになったんだ・・・
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