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□JOKER!!
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放課後、私は視聴覚室に行こうとしていた。
それはちょうど4時限目が終わった時の事。
ブン太が私に話しかけてきた。
「おーい、凛!なあ、放課後に皆でトランプでもやんねぇ?」
「え…、なんでそんな急に?」
「何となく。」
「何となくって、…まあいいけど。どこでやるのよ?」
「よっしゃあ!!んじゃ、視聴覚室に集合!もう皆には誘ってあるからよ、ちゃんとお前も来いよな!」
「あはは、うん、分かった!放課後に視聴覚室ね!了解!」
そんな会話があって、今向かっている途中。
私はテニス部のマネージャーをしている。
そして、なんと部長の幸村精市は私の彼氏!
幸村はかっこよくて頭も良くて運動も出来て……本当、私なんかが幸村と付き合ってるなんて奇跡だなって思う。
「お、きたきた!凛〜!」
「遅いっすよ、凛先輩!」
「あ、ごめん〜」
「まったくじゃ…本当にお前さんはいっつもマイペースじゃの」
「うるさいよ、仁王」
早速プリガムレッドの登場。
「残りは真田、柳生、ジャッカルか。」
「ああ、真田達は他の仕事があって来られないらしい。」
「そうなのかい?じゃあしょうがないな。始めようか。まず何をする?」
幸村が仕切って、勢いよくブン太が手を上げた。
ていうか、赤也の頭にブン太の手、激突してるし。
悶えてる赤也、可哀そう。
「はいはーい!ババ抜きでいいんじゃね?」
「ババ抜きかー、定番だね。私も賛成!」
「じゃあ決まり。カードを配るよ?」
「ちょっと待ちんしゃい。」
「仁王、何だい?やっぱり違う遊びにするの?」
なんだろう。仁王が意見なんて…。
なんか嫌な予感がする…!
「負けた奴には罰ゲームをさせるってのはどうじゃ?なかなか面白いと思わんか?」
「え、仁王それはやめな「いいね。俺は賛成」…。」
(…ちょっと!仁王が変なこと言うから幸村が悪ノリしちゃったじゃない!まさか…!)
私が小声で隣の仁王にそう言うと、仁王は面白そうに私を見た。
「別にお前さんがババ抜きが苦手でいつも負けるのを知ってて、幸村にこんな提案をしたわけじゃないぜよ?」
「絶対そうでしょ…ああ最悪!罰ゲームなんか嫌よ!」
「凛、そんなに慌ててどうかしたのかい?」
「幸村!?」
あ、ヤバい幸村に聞こえてたのかー!!
…あれ、絶対幸村なんかたくらんでるな。
だって、この幸村の笑顔は何かいつもと違う。
こう、なんというか…作ってる?そんな感じがする。自然じゃないって感じ。
そして次の瞬間、私の予感は見事に的中してしまった。
「じゃあ、その罰ゲームは一番最初にあがった人が決めよう。」
「なっ…、幸村、考え直さない!?あまりにそれは!」
「何か問題でもあるのかい?凛。」
「いえ、何でもありません。失礼しました。」
…この大魔王め!嵌められた!完っ全に!!
仁王と幸村がいるとろくな事がない。
絶対私が負けるよ…!幸村相手に勝てるわけがない。
「幸村部長ー!早く配っちゃって下さいよ、もう俺待ちくたびれましたって。」
「赤也!余計なこと言わないでってば!」
「は?どうしたんすか凛先輩。
あ、もしかして罰ゲームが怖かったりして。」
「そっ、そんなわけないでしょ!」
「んじゃ、もう俺が配っちゃいますよー。」
そう言って赤也がカードを配り始める。