その他小説

□起こすのは
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数分後

仙道が戻って来ると

机に頭を伏せ、

眠りについている鎖姫が目に入った

窓から外を眺めるスローターは仙道が入って来たことに気づいていない

仙道は起こそうと思い肩に手を置こうとしたとき


目の前に刀があった



「……主に触るな」

懐にあった刀を持ち仙道に向けるスローター

「…起こそうとしただけだ」

「お前が触れば主が汚れる」

両者は顔を見合わせ睨みあう

そして口喧嘩

「起こすのがそんなに悪いのかよ」

「起こすのに主に触るな」

「肩揺さぶって起こすんだよ」

「気安く触るな」


他愛ない喧嘩が続くこと数分後

今だに終わらない

仙道は睨み

スローターはまだ刀を出したまま



そんな中

「起きて鎖姫、起きてお菓子持ってきたよ」

ボソッと小さな声が聞こえた

仙道とスローターは声の方向を見る

鎖姫の横にいたのは

お菓子を持ったジョーカーだった

「ん…?あれ…寝てたの…私」

するとゆっくりと顔を上げ起きる鎖姫

「おはよう鎖姫♪お菓子持ってきたよ」

「ホント?!ありがとう」

ジョーカーからお菓子が入ったかごを受け取り

中にあったお菓子を食べ始める鎖姫

影のような存在になった二人は

いつのまにジョーカーがいたのか

わからなかった

「お前のLBXいつ入った?」

「しらねぇよ」

二人してジョーカーを見ていると

鎖姫が話しかける

「お菓子食べないの?美味しいよ」

「「………食べる」」

二人は一時喧嘩をやめ

お菓子を食べ始める







お菓子がなくなり

また宿題をはじめる

宿題をしながらもウトウトとして

結局寝る鎖姫を

宿題をやらせるために起こそうとする仙道と

寝ている鎖姫の邪魔をさせまいと刀を構えるスローター

そして口喧嘩になり殴る蹴る

そんなことが鎖姫が起きる時間まで続いた



帰り

「今日はありがとう!」

仙道に礼を言う鎖姫

「結局数学しか終わってねぇけどなお前は」

呆れながらも言うと

「?なにいってるの、レポートなら終わってますよ」

「っ!!なに」

鎖姫の発言に驚く仙道

スローターも気づかなかった様子

「だって二人が喧嘩している間に頭伏せながら書いてましたし♪」

「……いつのまに」

寝てたと思ったのにと愚痴を言う仙道

「それじゃまたね!」

そう言って手を振りスローターと一緒に帰る

それを見送る仙道

「ダイキ、中はいろ♪」

「そうだな」

ジョーカーと一緒に家の中へと入る

だがこの時…

いや

この前に気づけばよかったことが一つあった

それは

鎖姫が間違って仙道のレポートを持ち帰ってしまったことを…


『起こすのは』
―END―
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