少年陰陽師2

□第四十四部
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 最後の悲鳴と共に枷が砕け散る
集中から解放されて体勢を崩した昌浩の向こうで
消えつつあった輝きが眩さを蘇らせる
良かった、無地に成功したようだ
安堵の息と共に胸を撫で下ろした術者の姿を認めることなく
金燐の視線はある一点のみに凝らされていた
傍目にもわかる程その面差しには通常の彩が見受けられない
如実に過ぎるそれに嫌な予感を抱えた昌浩が首を巡らせたとき
確かにすぐ手の届くところに居た筈の輝きが
遠い視線の先で大きく揺れていた


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