少年陰陽師

□第十六部
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 “・・・・・痛い”

 それは、小さな小さな心の悲鳴
一向に治まらない傷の痛みは
まるで身体と一体化するように
日々の中で存在を主張し続け
晴霞の生活にごく僅かな支障を生み出し始めた

「今日の異形は、どれを向かわせれば効果が・・・」

 六枚の内三枚はすでに消えて
今晴霞の元にはない
残っている式の札は三枚
それぞれ違う形をした式達だ

「んー・・・」

 晴霞は己が身の深くで発せられる悲鳴を
そんなことには全く気付かないふりを続けていた
一番知っているのは自分なのに
無視をすることを選んだのだった


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