少年陰陽師

□第十二部
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「さて、今日はまぁ、様子見でいっか」

 ふっと短く息を吐いた晴霞は
鈴を軽く一振りして眼を閉じた
今から創り出す式の姿形を想像し
鈴の力を借りつつ具現化させる

今日は一応様子見なので大きめの動きが遅い奴が適任だろう
ただしそこそこの攻撃力があるので
油断をするとかなり痛い目に遭う可能性が高いが

「汝が動くは我の望みを叶えんが為に」

 晴霞がゆっくりと眼を開いたそこには
牛くらいの大きさはある異形が佇んでる
双方は暫し見つめ合った後
異形がその頭を深く下げ
晴霞の前から姿を消す
昌浩の元へ向かったのだ

「まずは一匹目と」

 何処かの邸の塀に軽くもたれた晴霞は
白銀に輝く細い月を見上げて
濃い紺色の空に浮かぶ月と同じように
ついとその両眼を細めた


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