神、地上に降臨

□遠い昔の話
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創造神は一つであり、二つである


一つが悲しめば
(もう一つも悲しむ)

一つが消えれば
(もう一つも消える)



一つの創造神は自分が作り出した「人間」があまり好きではなかった

二つの創造神は自分が作り出した「人間」の幸せを願った





そんなある時


二つの創造神はある地上に降りた

二つの創造神は何もない大地に降りた、草も、水も、何もない干乾びた大地に降りた

その大地に住まう人間達はすでに絶望していた

絶望し、神に祈っていた

だから、二つの創造神は何か出来ないか、とこの大地に降りてきた

人間達は何の努力もしなかったわけではない
(必死に努力し、耕していたが、すべては無意味だった)


二つの創造神は大地を見渡し、小さく

呟く

誰にも聞こえないほどに


―――…


と、





二つの創造神はそこで、ある人間と出会った

小柄な小さな人間に

小さな、子供は枯れた大地に花の種を植えていた

二つの創造神はそんな子供に話しかける

この土地では花も草も育たない、と

だが、子供は


僕はあきらめないよ。

あきらめたら、ダメなんだ


そんな子供を見て、創造神はこの大地を潤したいと思った



人間の子よ

そなたの願いはなんだ
そなたの願いは、なんだ?

ねが、い?

そうだ

お姉さん、神様なの?そうなの?

人間にはそういわれている
人間の子、願いは何だ

言ってみろ


ぼくの、ねがいは…!











そうか、その願い叶えてやる

二つの創造神は「命の源」の水・地面・草・雷・竜の5つを一つに結集し「命の宝玉」を創った


人間の子よ、それを使え

それを使えばこの大地を変えて見せろ



だが、一つだけ約束だ


5年後

赤い月が昇る時

その時、我に「命の宝玉」を返してほしい

我はそれがないと死んでしまう


人間の子よ。約束だ


うん、約束!

約束だぞ




二つの創造神はただ、幸せを願ってしたのだ

ただ、それだけの為に



二つの創造神はこの時

何も知らなかった

何も





ただ、何も知らずに

五年後の約束の日を待っていた














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