長編小説 〜第二章〜
□第三話 ドラマー!
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ある日の放課後のこと、
唯「か、かわえぇ〜…♪」
戒「だなぁ…」
みんなは水槽の前でトンちゃんを眺めていた。
梓「というか、戒さんも夢中なんですね。」
戒「動物は見ててかわいいからな。」
しかし、それを遠目で眺める者もいる。
紬「澪ちゃん、怖いの?」
澪「えっ、怖いわけじゃないけど、かわいいと思う境地にはまだ…」
唯「え〜?かわいいよ〜!」
戒「だよな、ほらほら。」(フイ、フイッ)
紬「あっ、指に追い付いてる!」
唯「やっぱりかわいいねぇ〜♪」
戒「澪も名前呼んであげたらどうだ?」
澪「えっ、…………トン、ちゃん。」
すると呼びかけに応えたのか、トンちゃんは水槽の水から鼻を出して、呼吸をするような仕草をした。
澪「かわいいなぁ…♪」
唯「ね?ね?」
梓「唯先輩、飼う以上はちゃんと世話をしないと駄目ですからね。水温を一定にしたり、定期的に水を変えたり…」
唯「ギー太より手がかかるね…。」
戒「生き物を飼うんだから、より日頃から環境に注意しないとな。」
唯「じゃあトイレも作るの?」
梓「そこは犬や猫と一緒にしなくていいんです!」
戒「あとエサも毎日あげないと、」
紬「あっ、エサ足りなくなったら私持ってくるね。
うちでもクサガメとか、ミナミイシガメとか、ミシシッピーニオイガメとか飼ってるから♪」
戒・澪・梓(エキスパート!!)
梓「助かります!」
唯「トンちゃん、ちゃんと世話するからね〜。」
澪「そうだな、『もう飼うのヤダ』からって捨てたりなんか…」
律「もうやだー!!」
みんなの水槽鑑賞に割り込んだ、律の大声。
戒「律…?」
その律はパソコンを見て、何かにすすり泣いていた。
律「うっ…ドラムやだーっ!!」
戒「どうしたんだ、律…?」