ワンピース
□海軍にて2
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ガープさんがクザンさんを厳しく訓練したとか、ボコボコにしたとか………サカズキさんの所に殴り込んだとか、また建物が破壊されたとか。
まぁ、噂だ。
そんな噂が立った数日後、クザンさんはまた私の後をついて来た。
懲りてないのかと思ったが、毎回ではなくなった。どうやら私はサボりの口実になっていたようだ。『ガープさんのお孫さんの面倒見てんだよ』とか言っていたらしい…。
怪しまれていた訳ではない。
最近は、たまにしか会わない。
これで心置きなくマリンフォード探索を続けられる。
クザンさんのおかげで、危ないからダメだという件はうやむやになった。そもそも危険な場所は柵なり塀なり、注意書きなりがある。
…ここの構造は知っておかないといけないと思う。
確実に来るであろう、未来のために―――
来ないように、頭の片隅で願うけど。
いまだに、覚悟はない。
ふわふわ、漂う。
けれど、そうせずにはいられない。
知ッテイルママデハ、生キテイケナイ。
「あっれェ〜、ウミちゃんじゃなぁい?どうしたのォ〜?」
庭の片隅でサンドイッチを食べていたら、視界がしましまの真っ黄色になった。
「散歩とお昼ご飯です」
「ピクニック日和だもんねぇ」
ボルサリーノさんだ。
芝生に座っている私の前にしゃがんで、頭をなでなでされた。しわしわの顔が余計にしわくちゃになっている…こういう顔だと思おう。
「わっしがあげた海楼石はァ、どうしてる〜?」
「ここにあります」
首から下げている紐には、小さな石がひとつ。先日ボルサリーノさんがくれたものだ。
ほんの少し、頭をなでる手が引いた。
「今度からはァ、クザンにはそれを使うと良いよォ〜」
「はぁ、まぁ…そのつもりです」
「サカズキもねぇ、もうちょっと落ち着いたら良いのにね〜」
何とも言えない。
あの人が落ち着いたら、それはそれで恐ろしい気がする。
「いらないカケラがあったらァ、またあげるよォ〜。ところでさぁ、そのサンドイッチはウミちゃんが作ったのォ?」
「はい」
変わった話題に、素直に頷く。
「もらうよォ〜?」
え?
「ん、ん〜?普通だねぇ」
………そりゃそうだ。
パンに適当にハムとかチーズ挟んだだけだから。
そして私のお昼ご飯がなくなった。
「まぁサンドイッチだからねぇ」
この人、何がしたいの?
「ガープさんが自慢してたんだよォ〜。ウミちゃんのご飯は最高だって。是非とも味わってみたいんだけどねぇ?」
え?
「毎日外食じゃあ、わっしら体に悪いからねぇ。家庭料理に飢えてるんだよォ〜」
え?
わっしら?
「今度ぉ、ご馳走してくれない?」
タナカク○エが、ニコニコと満面の笑みだ。
「………」
拒否権は、ない。
「えっと、じゃあ…明日でも」
さっさと済ましてしまおう。
「おー…、二人にも伝えとくよ。楽しみだねぇ〜」
思いっきりナデナデされた。