ワンピース
□試してみました
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小さな少女は、つるのお気に入りだ。
赤いリボンが揺れる小さな頭を見つけて、頬が緩む。
むさ苦しい軍隊において、なかなか得難い癒しである。
「あ…おつるさん」
目があって、微笑む。
小走りで近付いてくる姿に、さらに目尻が下がる。
「さっき、これ、ボルサリーノさんに貰ったんです」
何かを握りしめていた小さな手が、開かれる。
「何をだい?」
その手の平を覗き込んで、つるは固まった。
「海楼石を」
「!?」
次いで、半歩ほど後に引いた。
少女の手の平には、海楼石の小石が数個。
「ど、どうするんだい?」
ボルサリーノは一体何を考えて、少女にこれを渡したのか?
「お守りにしようかと………その、クザンさん除けに」
思わず納得、しかけた。
あれでもそれなりに海軍大将だ。
「あと、サカズキさんも…」
それは、納得せざるを得ない―――いやいや、あれだってちゃんと海軍大将だ。
けれど、気持ちはわからなくないような…。
「ネックレスにでもしようかなって思ってます」
「…そうかい」
少し悲しい。
「これでクザンさん、大人しくなりますかね?」
「………そうだねぇ」
あの青二才には、忠告しておこう。聞かないだろうが。