ワンピース

□試してみました
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「これが海楼石だよォ〜」

ボルサリーノは、ピンセットで小石を摘んでみせた。

「わっしは持てないからねぇ。気をつけて〜」
「ありがとうございます」

少女は小さな手の平でそれを受けとって、食い入るように眺めた。小首を傾げている様は、ボルサリーノから見ても可愛い。



ぱっと見てただの鉛色の小石だが、青、蒼、碧―――何とも不思議に光っている。
この小石ひとつで、ボルサリーノは戦えなくなる。



ひとしきり光に翳して眺めた後、少女はゆっくりとこちらを見上げた。

「ボルサリーノさん。これって、どのくらい効きますか?」
「どのくらい〜…?」

少女につられて、同じく首を傾ける。

「持ってるだけで、クザンさん、寄って来なくなりますか?」
「寄って来なく…」

ボルサリーノがクザンに同情したのは、ほんの一瞬。

「おー…、試してみると良いよォ。もっといるかい?」
「もっと、たくさん欲しいです」

少女に罪はない。
たぶん。

「ピンセットなら、平気で持てるんですね」
「くれぐれもぉ、俺に試さないでねェ。クザンなら良いよォ〜」
「…はい、そうします」

素直に頷いた少女の頭を撫でる。間違っても、自分には試されたくない。

とりあえず、この子に嫌われないようにしよう。


 
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