短編

□アスマ班
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焼肉屋にて



***



「大変申し訳ございません。本日食材を切らしてしまいまして」
目の前の店員さんに、深々と頭を下げられた。
「食材って、お肉を?」
「はい…」

あ、なるほど。
店内にいるアスマ班を発見して、納得。
兄と焼肉の予定だったが、仕方ない。



「ん?」
こっそりフェードアウトしようとしたら、アスマ先生に見つかった。
「やだ。もしかしてデート?」
「兄デス!お兄ちゃん!」
食いついてきたイノに全力で否定する。
「どうも。妹がお世話になってます」
「あーいや、どっちかと言うと世話になってる方だ」
兄とアスマ先生が大人の挨拶。
「もしかして食いに来たところか?」
「え、ごめん。さっきのカルビでお肉なくなっちゃったって」
シカマルの言葉に、チョウジがしゅんとして謝る。さっきまで素ん晴らしい笑顔だったのに。
「チョウジは食べ過ぎなのよ。少しは痩せなさい」
いや、チョウジは悪くない。どんどん食べて、強くなってもらわなければ。
木の葉に店を構えているのに、秋道家に対応してない焼肉屋がイケナイ。仕入れを見誤ったか?

あ、でもーーー



「アスマ先生」
「何だ?」
「お会計、大丈夫デスカ?」
ちらりと積み上がったお皿を見やる。
「まぁ、いつもの事だ」
その目がどこか遠くを見ているのは、気のせいではない。猿飛家の家計は代々大変だ。
「チョウジ。アスマ先生の将来のためにも、ほどほどに」
「将来?」
「結婚資金がなくなったら、紅先生が困るヨ」
「ブッ」

うわ、水吐かれた。
アスマ先生、汚い。

「………おまえ、あまりヨソ様をからかうな」

兄に窘められました。



***



二人の馴れ初めが気になる。

 

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