短編

□みたらしアンコ
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甘味屋の前にて



***



「あん団子、五ー」
「おばちゃん、あん団子五十本とみたらし五十本。あと抹茶も!」

注文しようとしたら、勢いの良い声に阻まれた。ちなみに私が頼もうとしたのは、あん団子五本だ。



甘味屋にてアンコさんに遭遇。

オ団子百本食ベルンデスカ?

イタチさんより恐ろしい人がいた。



思わず見つめてしまった私。アンコさんもこちらに気づく。

「………」

何だか微妙な空気。
そっと目をそらした。



別に何もーーーあ、そうだ。



「アンコさん」
「え、あんた誰?」
「………前の中忍試験でお世話になりました。もと紅班。今はカカシ班デス」
「あぁ、そう」
うわ、もの凄く興味ない態度。
「蛇を使った忍術ができるんですよネ?」
「そうよ。カカシか紅から聞いた?」
「まぁ、そうデス。あの」
今か今かとお団子を待っているアンコさんは、店奥の厨房を見つめている。
「蛇百匹くらい出てきたら、どうしますか?」
「…は?」

あ、こっち見た。

「いえ、その、もし敵が自分を上回る蛇使いだったら、どう戦いますか?」
カブトの事だが、アンコさんは大蛇丸を思い浮かべただろう。
「どうって…」
真剣な顔つきになりかけたところで、お団子が来た。
「はい、とりあえずあん団子二十本ね。後は席に持ってくよ〜」
アンコさんの意識は、完全にお団子に移ってしまった。

まぁ、今はまだ良いか。



***



アンコさん、助かって欲しいデス。

 

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