短編

□病院にて
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紅先生にマザーを見た後の小話。



***



紅先生は良いお母さんになるなぁなんて、私が安心している時に、ソレは来た。





「ところで、ねぇ?」

紅先生に、おもむろに呼ばれる。お美しい笑顔が相変わらず眩しい。
「さっき、ハヤテに会ったのよ」
あ、忘れてた。
「元気でしたか?」
「えぇ、リハビリしてたわ」
すっかり忘れてしまっていたハヤテさん。リハビリって事は無事だ。無理して木の葉崩しに参戦、死亡ーーーなんて事にならなくて良かった。
「もう随分良いみたいなんだけど…その、ね?」
笑顔のまま言い淀む先生。

え…私マジでやり過ぎた?
何かしら重大な後遺症が!?
いや、でも死ぬよりずっとマシーーーいやいや。ハヤテさんの忍者生命の危機デスカ!?





「私の顔を見て、逃げたのよ」



「………」



「あれは幻術、あれは幻、なんてブツブツ言いながら」

あれ?
紅先生、目が笑ってない…?

「あなた試験の時、ハヤテに何を見せたの?」



「………」





ーーーど、どうしよう?

さっきまでのマザーはどこ!?

ベットから見上げる紅先生のお顔が怖いぃッ!



「………い、嫌なものを」
「そうね。そう言ってたわね」
下手な嘘はつけない。ハヤテさんがしゃべったら、ばれる(もうしゃべっちゃったかも!?)。
口の中カラカラになってきた。
「び、びっくりして欲しくてですネ?」
「浮気の現場、よね?」
ヒィッ、覚えてらっしゃる。
「ハヤテの恋人なら心当たりがあるけど………浮気って、私と?」

美女がにっこり微笑んでいるのに、何故こんなにも息苦しいのか?

「どんな場面を見せたの?」

ふふふ、と笑う紅先生。
変な汗かきまくりの私。



「ご、ごめんなさい…」
「何に対してかしら?」










この世には、大蛇丸よりも恐ろしいものがある。



美しい人を怒らせてはいけない。



***

ハヤテさんはしばらく紅先生に対して挙動不審かも、と思いついて…。

 

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