短編

□中忍試験の予選にて
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キバがヒナタの試合を観戦していてもおかしくないように。



***





サスケやらなんやら、ぼーっと試合観戦していたら、子犬の鳴き声が聞こえた。



あ………



赤丸ッ!?



赤丸が!?

赤丸が殴られたッ!

思わず手摺りを掴んで身を乗り出す。
よくよく見れば(よく見なくても)いつの間にやらナルト対キバ。つまり、赤丸も参戦。

ヒィッ、赤丸になんて事を!?

ナルト、キバはともかく赤丸はやめてぇ〜っ!!



顔色が悪かったり、息を飲んだり。そんな様子を見た周囲は、班員の心配をしているのだと思った。










医療班に運ばれる一人と一匹。

医療班から赤丸を奪う。
「赤丸ぅ…」
小さな赤丸がボロボロだ。こんなに小さいのに。
そっとチャクラを当てれば、弱々しい鳴き声が返ってきた。

担架に寝ているキバからは、うめき声ーーー



ーーーこの、甲斐性なし!

ゲシッと蹴り付ければ、キバは担架から落ちた。

「だぁッ!?」

声をあげるくらいの元気が残ってるじゃねぇか。

「…あなたキバに恨みでもあるの?」

紅先生、愚問です。
赤丸が怪我してるんデス。



兵糧丸やら傷薬やら包帯やらビーフジャーキーやら。キバに投げ付けておいた。

「えぇっ!?イテッ、ちょ、何なんだよ!?」

腕の中でキュンキュン鳴いてる赤丸を抱いて、揺らさないようにゆっくりと観戦席に戻った。
よしよし、良い子。赤丸、あなたは良い子。よく頑張った。私が全部治してあげる。



「お、俺は無視かよ?」
「仕方がない。なぜなら赤丸は好かれているからだ」
「それはそうだけど…」
キバの手当てをするのは医療班。見守るシノと紅先生。

ヒナタはもじもじしながらナルトに傷薬を渡している。





………なんとなく、この班って報われない。そう思った男子が二名。
それに同情する上忍師が一名。



応急手当を済ませたキバは、そのまま試合観戦。



***

キバの扱いが酷い。

 

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