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三代目がわざわざ、白でも再不斬さんでも、イタチさんでもなく、自ら会いに来た。それも木の葉の外で。

里外での内緒話だ。



「内部調査の件じゃがー」
「すいませーん。くずきりもうひとつ」



「………」



「あ、ふたつで」
にっこり笑顔の仲居さんが、かしこまりましたーと厨房へ消えた後、殺気が来た。再不斬さんから。
真剣な話をしようとした三代目には、死んだような目で見られてしまった。

「お二人とも、ぜひ食べるべき美味しさデス。急がず焦らず」
「俺はいらん」
「えー…」
冷たい。

「まだ早いという事か」
ため息とともに復活したじい様。
「チッ、わかりやすく言え」
え、再不斬さん通じてなかった?
そらされた目線………可愛い。何気にこの人も萌えだな。

「まだ、かどうかは私では判断しかねますよ」
「そうか?」
てゆーか聞くな。
私、子供です。
普通じゃないけど。
白と再不斬さんの時は何も聞かなかった癖に(←根に持ってる)。
「絶対に、間違いなく、万にひとつの漏れもなく確実なら、今すぐ実行してください」
木の葉内紛なんかになったら、笑えない。

しかしーーー

「何かするなら里外が良いです。まわりに人が少ない時。もしくは衆人監視のもとで、でしょうか」
「やはり…難しいのぅ」
無理なのか。
それで相談?

「いやまぁ、二年後ですケド」



「………」



「わかっておるならはじめからそう言うてくれ」
あ、また死んだような目?
「それまでがっつり証拠集めしておいてくださいネ」

ナルトが帰ってくるまでは、犠牲者もないはず。あちらからいろいろ仕掛けてくる時がチャンスだろう。



しかし、何よりーーー





私は、原作を変えた。

変わってしまった物語。

もし、大蛇丸がすぐさま木の葉崩し二度目を仕掛けてきていたら、防ぎようがなかった。
原作にない事態には、私は対処出来ない。

具体的に考えて、ゾッとする。



慎重に。
原作をなぞるように。
けれど、変える。

変えていく。










「は?何でおまえらがここにいるんだよ?」
「任務だ」
驚くキバに、冷静に答える重吾。
「ハッ、犬っころの鼻は温泉ごときで効かなくなるんだな」
「なにぃ!?」
香燐はキバにも好戦的だ。
「ねぇ、水風呂あるかな?」
「「ねぇよ!」」
見事なハモリだ。
二人ともノリは良い。
「水風呂ならサウナの隣にあった。何故ならサウナの高温でほてった体を冷やー」
「ほんと?行ってくるよ」
ダブルツッコミを気にもしない水月は、相当なマイペースだ。
「…最後まで聞いていけ」
「すまないな」
少しさみしそうなシノに、重吾が謝った。



………カオス。



お茶処から見えたロビーが、カオスだ。

「再不斬さん…」
「何だ?」
「とりあえずアレは止めてください」
「知らん。面倒だ」
任務以外は放置デスカ!
お願い光線をしてみたが、あっさり無視された。

「スイマセン。くずきりもうひとつ」
何となく、食べないとやってられない。何となく。

二度目のくずきりを、三代目と再不斬さんにも押し付けて、美味しく頂いた。

 
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