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リビングにいると、台所から母と白との会話が聞こえてくる。

「白君、アジ開いてちょうだい」
「はい、今日はフライですか?」
「そうよ。白君と再不斬君が来てから料理のしがいがあるわ」
「ヤエさんのご飯はいつも美味しいです」
「ありがとう。タツタもサエも何にも言ってくれないのよね〜」



「………」



ラブラブな感じだ。
立ち入れない。
何かもう二人の世界。










そぅっとお店を覗きに行った。

「こいつはただの飾りだ。実戦では使えないぞ」
「どうりで売れないはずだ」
壁にかけてあった忍具をはずす兄。それを見分する再不斬さん。

………異様だ。

明らかに危ない人ですオーラを出してるのに、従業員のおばちゃんもお客さん達も、再不斬さんを受け入れている。
忍の里だから、変な人には慣れてるの?
確かにおかしな人は山ほどいる。覆面とか片目とか銀髪とか。

「大名とか道楽の金持ちには売れるだろう」
「あぁ、じゃあ今度出入りのある時に持っていってみるか」
「こっちのクナイは一級品だ。もっと高い値でもいい」
「うーん、忍具は全部アノ親父の趣味だから。サエもちゃんと教えてくれれば良いのに」



「………」



確かに、あまりお店に近づいてはいない。だってアノ父だもの。





背後から、あの筋肉いいわぁ、とため息まじりの声が聞こえてビクッとしてしまった。

従業員のおばちゃんとお客のマダム。その目線の先には再不斬さん…。

あの人、上品で清楚なマダムのはずなのに。おばちゃんもそんな趣味あったっけ?
受け入れられているのは筋肉ですか?

そう言えば最近、女性客が増えたらしい。本来の呉服業は右肩上がり………白の美貌と再不斬さんの筋肉が目当てだろうか。



木の葉、恐るべし。










ヒナタと赤丸に会いたい。

素直で可愛い子に癒されたい。










「アジフライ、美味しい」
夕食の席で一言、言ってみる。まだ仕事の父と兄の分が多めに取って置いてある。もうひとつ欲しい。
母の笑みが深くなった。
「全部、白君が作ったのよ」
え、逆効果?
「サエは白君のご飯が良いみたいね〜」
うふふと楽しそうな母。子供を弄って楽しむのは、やめて。

隣の再不斬さんが怖い。この人なんできちんと家に帰って来てご飯食べてるんだ?仕事は?

「白の飯が美味いのは当たり前だ」

!?

デレた!
急にデレたよ、この人!?

黙々とご飯食べてたと思ったら、いきなりそんな発言!?

にっこりと眩し過ぎる笑顔の白。それをちらりと見て、すぐに目をそらす再不斬さん。

二人の世界が眩しい。
目が潰れそうだ。



そうですネ。

二人はお互いが全てでしたネ。

何かごめんなさい。










お兄ちゃん、お父さん。

早く帰って来てクダサイ。





三代目、綱手様。

早く二人を引き取って!

てゆーか暗部に戻してやってクダサイィッ!!

 
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