2

□22
1ページ/4ページ


入院生活って、暇だ。
特に一度目とは違って内緒なので、お見舞もそうそうない。

ヒナタと赤丸が恋しい。

暁は三年後だから、ちょっとダラダラ、のんびり入院なんて思っていたが、暇過ぎる。

なので再び自己治療。
医療忍術、万歳!

明日あたりにお家に帰ろう。
我が家も、恋しい。
お母さんのご飯が食べたい。お兄ちゃんとくだらない言い合いしたい。お父さん………は、まぁいいや。どうせ向こうから絡んでくる。



久しぶりに家に帰る事に、内心テンション上がっていたら、サクラとイノが来た。

カカシ先生、私の事しゃべり過ぎ。
「…サエ、何でまた入院してるの?」
サクラもイノも元気がない。いつもまっすぐ前を見ているはずなのに。
「アスマ先生、入院してるって事しか教えてくれなかったけど…また聞いちゃいけないのね」
あ、カカシ先生じゃなかった。





ーーー泣いてる!?



えぇっ!?
まさかサスケ、里抜けたッ?

私の言葉、無意味デシタカ!?

いやでも、行くあてなくなっちゃったヨッ!?





「サエ、落ち着いて聞いて。あのね…サスケ君が………サスケ君、さらわれたのッ!」



「…え?」

涙を拭って言うサクラに、私は素で聞き返した。



「昨日の夜、サスケ君の家に大蛇丸の手下が来たみたいで…」

手下?
テシタって何だっけ?

「大人達が気付いた時には遅くて…カカシ先生は任務でいないし、アスマ先生も紅先生も出ちゃって。ナルト達が助けに行ったけど、不安で」



「………」



「サエ?」
固まった私に首を傾げるイノ。
「…今、なんて?」
「だから、ナルト達が助けにー」
「その前。サスケがなんて?どうした?」
「さらわれたのよ…?」










はぁッ!?



さらわれた?
サスケが!?

何じゃ、そりゃあッ!?





「ごめん、もう一度聞く。サスケ、さらわれたんだよね?」
自分から里抜けしたんじゃなくて。
「うん、それでナルト達が」
信じられないのはわかるけど、なんて言うサクラ。
「シカマルが小隊長でナルトとチョウジとキバとネジの五人で…え、サエ!?」
イノの説明途中に、瞬身した。



火影様ーーー綱手様の所へ。










着地したのは、机の上。

執務机に向かっていた綱手様は、突然の私の訪問に驚く。が、驚いている場合ではない。

「サエ、おまえまだ入院してー」
「ふざけんなぁッ!!」

キレた私。
綱手様の胸倉を掴んでガクガクする(後で思えば胸がまる見え)。
「おい、落ち着け」
「つ、綱手様!?サエさん、やめてくださいーッ!?」
シズネさんに叫ばれる。
「落ち着け!サスケの事だろう?」
「違うッ!」
二人を睨み付ける。いや、この人達睨んでも仕方ない。

サスケだって心配だ。けれど、手下どもはサスケの体に手出しは出来ないはずだ。

「相手は死に物狂いだ!なのに何で、子供達だけで行かせたッ!?」



大蛇丸を失った手下ども。
何かしらの方法で、サスケを使って蛇復活とか考えているのだろうか。後のない連中は必死なはず。
原作でかろうじて勝てたのは、相手に油断があったから。それがないなんて、鳥肌どころじゃない。

ーーー私のした事で、誰かが死ぬ?

 
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ