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木の葉病院に二度目の入院。
こっそりと。
ダンゾウとかに目をつけられないように。



「………」



目を覚ましたら、狭い病室に人がたくさん。
そして無言。
微動だに出来ない感じだ。



…誰か何か話せよ?



「あの、皆さん何でしょう?」
「何でしょう?よくそんな事言えるネ?自分が何したかわかってる?いや、わかってて言ってるんだよネ!?」
片目が座ってる感じのカカシ先生。ちょっと怖い…?
「皆、嬢ちゃんの見舞いだ」
苦笑の自来也様。部屋狭いのにでか過ぎだって。
「心配してんじゃねーか!わかってて言ってんなら、おまえタチ悪過ぎだ!」
何故いるのか、謎なキバ。
「キバ、何でいるの?」
「はぁッ!?おまえ、いい加減にしろ!!」
顔を赤くして真剣に怒る様子に、口元が緩む。
「私、生きてるよ?」
「!!ーーーおまえ、ふざけんなッ!」
「キバ」
沸点の低いチームメイトに、遠慮なく言い放った。

「強くなった?」

どうやら私は、相当タチが悪いようだ。顔をしかめる相手に、やはり笑ってしまう。

「期待してる」

マジで。
子供達、強くなって?

「あぁあ〜ッ!何なんだよ、おまえはッ!?」
キバが壊れた。
叫びながら、頭をわしゃわしゃ掻きむしる。ここ、病院なんだけど?
「もう知るかよッ!訳わかんねぇ!!」
怒ったように出ていった。

後で、どうやって機嫌を取ろう?それともスルー?

「心配してたのよ?」
すぐ隣、ベットサイドの紅先生に窘められた。
このむさ苦しい空間で唯一の花だ。その麗しいお顔で、もっと癒してください。
「任務の帰りに…ヒナタとシノと別れた後。あなたの匂いがするって。血の匂いもするって、大慌てだったのよ」
あぁ、匂いでわかったのか。

…あれ?
血の匂い?
ある程度の治療は、綱手様がしてくれたのでは?
今だってそんなに痛くない。いや、ちょっと痛いけど。ちょっとかなり怠いけど。

「あー、いや、そのなぁ」
問えば、しどろもどろのエロ仙人。
「ナルトの奴、寝てる嬢ちゃんを運ぶと言って聞かんかってのぉ。ちっこい癖に。里の入口までは良かったんだが、転んでな………傷口が開いた」

ナルトーーー私はあなたを褒めればいいのか、怒ればいいのか、ワカリマセン。
で、今は修行に勤しんでいるんですネ?それなら、まぁ良しとしよう。

「あいつ、可哀相に…」
廊下の方を見やり、何故かキバに同情するアスマ先生。





個室だからって、人多過ぎ。

私、へにゃへにゃになってしまうじゃないか。





「サエちゃん、よく笑えるネ?」
「役立たず」



「………」



何だか怒ったようなカカシ先生に、きつく言う。
「もうちょっとで、イタチさんの月読くらって、駄目になるところだったクセに」
「!?」
「サスケ暴走させたクセに」
「そ、それはー」
「木の葉一って何?イタチさんと大蛇丸が里抜けしたから、一番デスカ?」
傷付くであろう言葉を選んで、投げ付ける。
「おいー」
止めに入るアスマ先生を無視。

「強くなってください」

そしたらもう私、何もしない。カカシ先生が死ぬ心配なんて、しない。

「………うん、わかったヨ」
言い過ぎたか?
素直に引いたカカシ先生に、ちょっとだけ罪悪感。
「キタイシテマス」
「棒読みッ!?」
突っ込まれた。

「元気そうじゃな」
「元気デス」
だから、皆さん仕事に戻りましょう。
「綱手を呼んで来ようかのぅ」
「いいえ、結構です。皆さん、仕事してクダサイ」
物言いたげな大人達。
でも何かを言わせるつもりはない。大人なんだから、何かあるなら行動で返して欲しい。

 
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