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「どうしたんだってばよ?」
宿屋の部屋。
クロシロの事を知らないナルトは、ハテナマークだ。
「ナルト、私お客様があるから、ここで待ってて」
落ち着かなくなった私に首を傾げるナルトは、大変可愛い。が、今は萌えている場合ではない。

イタチさんが来る前に、こちらから。
戸を開けた。



「………」



調度、居た。

「また、おまえか」
「また会いましょうと言ったはずです」
改めて、すぐ目の前のイタチさんはお美しい。憂いを帯びた美青年。
見とれている場合ではない。
「誰だってばよ?」
「うずまきナルトか」
「お話は外で。とりあえず外です。ナルトはお留守番」
「我々は九尾に用があるんですがねぇ?」
イタチさんの背後には、鬼鮫さん。
「三年後デスッ!」

きょとんとしたまま、事態を理解してないナルトとは、扉を閉めてさようなら。
良い子はお留守番デス!

宿屋の廊下で、私は一人焦っている。

「おまえ…何故それを知っている?」
「それってどれデスカッ!?」

まわりの見えなくなっているサスケが来ないうちに、何処かへーーー



「………」



居た。

外へと廊下を振り返ったら、サスケ。

その手が、パチッとかバチッとか言ってる。千鳥だ。

その目は、復讐者ーーー





原作って絶対なのか?
いやいやいや、再不斬も白も三代目も、生きてんじゃん。

ちょっと諦めかけた思考にノリツッコミ。

あ、ハヤテさんも。





私はたぶん、この世界に生まれて一番の、腹の底からの大声を出した。

「ーーー順番ッ!!」

ダンッと足を踏み鳴らす。

サスケは、ただ驚いたのか、私の気迫に負けたのか。不明だが、千鳥が消えた。
「順番ッ!だから!私が先。サスケは後ォッ!!」
用があるのは私。先にイタチさんを見つけたのは私。サスケなんて後。てゆーか後はないな。

イタチさんの腕を掴んで、瞬身した。勢いって大事だ。
その瞬間、ようやっと来た自来也様が、廊下の端っこに見えた。うん、そのまま鬼鮫さんの足止め、よろしく。
そのくらいの役には立ちやがれ。このエロめ。










「サスケ…」
横からの呟きに見れば、哀愁漂うイタチ兄さん。

ここは、宿屋の屋根の上。

「………灯台もと暗し」
宿屋から勢いよく出て行くサスケが見えた。きょろきょろしている。全くこちらに気づいていない。ちょっと笑える。
気づかれないよう、反対側の屋根に移動。
「あの子、馬鹿ですね…」
思わず呟いたら、思いっきり睨まれた。兄さんの子育ての結果ですが?

………目が赤い。

「イタチさん、むやみに写輪眼使わないでください。寿命が縮みます。あなたの」
サスケ馬鹿め。
そもそも私相手に、そんな大層な力、必要ない。たぶん、パンチ一発で死ぬ…。

この人、私がいなかったら、木の葉でも宿屋でも、写輪眼使いっぱなしだ。使わなかった分、寿命のびたかな?

 
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