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「お近づきのしるしにですね…」

抱えていた物をガサゴソ。ちょっと袋がヨレてるが、気にしない。
差し出そうとして、イタチさんと鬼鮫さんが、二、三歩退いた事に気づいた。
「あの、ただのお団子なんですが…甘栗甘の。皆さんでどうぞ」
「あぁ、お団子でしたか」
突然差し出した袋に、警戒されてしまったようだ。



ぁ…



ーーー赤いッ!

イタチさんの目が赤いぃッ!?

サァッと血の気が引いた。
私、死んだ!?



「確かに」

え?

固まったままの私から、ガサッと袋を取るイタチさん。



「………」



し、写輪眼で団子を確認!?

手にした袋をガサゴソいわせているイタチ兄さん。

…笑えない。表情筋、引き攣っちゃったヨ。

何だ、この人?

お団子用意したの、私だけど。

サスケよりもお団子か?
お団子の方が有効なのか!?
木の葉の甘味屋が一致団結したら、イタチさん、帰って来るんじゃないか???










混乱しかけたところで、珍獣が来た。

いや、ガイ先生だ。

「ーーーストップ!止まってくださいぃッ!!」
緑タイツを掴んだら、ビヨンと伸びた。
「むっ?君は…」
「紅班の錦サエです。とりあえずここにいてください!」
とりあえず私の前にいて、盾になってクダサイ。
どこかにあの二人がいるから大丈夫だと思うけど。
目の前に何か欲しい。
盾が。
この際、全身タイツでもゲジ眉でも濃くても構わなーーーいや、構う。この人ほんと濃い!こんなに近くで見るの初めてだけど、濃ッ!!
「君は確か、ネジに素晴らしい青春の怒りをぶつけた子だな!」

………そんな覚えられ方?

親指立てて言われても、嬉しくない。
「また随分とおかしな方が来ましたねぇ」
「何かすいません」
木の葉の同胞というだけで、恥ずかしい。隣を歩きたくない…いやいや。今はここに居てクダサイ。
「おまえが謝る事ではないだろう…」
あ、イタチさんまで遠い目。もと同僚だからネ。
「私が来たからには安心したまえ。木の葉の美しきー」
「ちょっと黙っててクダサイ」
掴んでいたタイツをさらに引っ張れば、ビリッと音がした。
「ぬおぉッ!何をするんだ!?」
太ももの部分が破れた。

………まるで女子のように顔を赤らめて恥ずかしがるのは、やめて。
私だっておっさんの筋肉質な太ももなんて見たくない。

色々萎えてきた。

「紅!この子は何なんだッ!?」
「…私のせいじゃないわ」
ちょっと離れたところにいる紅先生に、見捨てられた気がする。



気を取り直せ。
頑張れ、私。

 
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