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三竦みの戦いは、ナルトが螺旋丸を覚えるわけだから、一ヶ月くらい先?



その前にーーー










私は今、緊張している。



木の葉崩しと同じくらい。
心臓バクバク。
生唾ゴクリ。
持っている袋がガサゴソいうのが耳障り。でもこれで相手の気を引けたら、万々歳だ。

甘味屋の中でも笠を被った、明らかに怪しい二人に、ものすっごい勇気を出して話しかけた。

「あのぅ…」

話しかけた瞬間に、その二人はサッと姿を消した。



えー…?



私、すっごい頑張ったのに。
もんの凄い勇気振り絞って声かけたのに。

死んだ魚のような目をしてしまっていると、どこかから声がかかる。私にしか聞こえない声。
「追わないのか?」
「追います…」
姿はないが、クロの言葉に返して、ガサゴソいう袋を抱えた。

「え、サエ!?」
「なっ!?おまえー」
紅先生とアスマ先生をスルーして、私はクロとシロを頼りに、後を追った。

きょとんとしているサスケと目があった。



…カカシ先生は、すでに追っているのか。










大人しくサスケと修行してればいいのに。





「水遁ーーー」

川沿いなのを利用して、水の塊をぶつける。

カカシ先生に。

月読を仕掛けようとしていたっぽいイタチさんは、あっさり避けた。



「………」



「頭冷えましたか?」
びしょ濡れのはたけカカシ。避けられたと思うんだけど?
「サエちゃん………俺、何か悪い事した?」
「いいえ」
あえて言うなら、もうちょっとで月読くらってダメダメになるところだったから。

「サエ!」
「カカシ!」
遅れてきた紅先生とアスマ先生。
「お二人とも、カカシ先生つれて下がっていてください」
内心縋り付きたいけど。シッシッと追い払う(カカシ先生に)。
脳内のアドレナリンを意識して、震えを抑える。テンション上げていかなきゃ、怖い。

「先程声をかけてきたお嬢さんですね。我々に何か用ですか?」
鬼鮫さんが当然の疑問を投げかける。
ついさっき私の勇気を無視した癖に、普通に話し掛けてきやがった………ちょっとやさぐれたいが、そんな場合ではない。攻撃されたら、即死だ。
イタチさんはともかく、この人は危険性、大。
「はじめまして。鬼鮫さん」
「おや、私をご存知で?」
えぇ、知っています。
「鮫肌君もはじめまして」
「ギッ?」
あ、返事した!
「鮫肌もご存知ですか?」
「可愛い…」
「ギギィッ!?」
あ、やべ。
つい本音が。
布に包まれたまんまだけど、鮫肌、ビクッてした。可愛いよネ?
「…やめてください。鮫肌が戸惑ってるじゃないですか」
それはそれで、萌えだ。
ヒナタと赤丸がいないんだから、他に萌えを求めてもーーーアドレナリン、おかしなところにイッテラッシャイ。

「何の用だ?」
脱線しかけた思考を、イタチさんが戻す。
「あー…、とりあえずご挨拶を。木の葉の下忍、錦サエといいます」
ぺこりと頭を下げる。
「これはご丁寧に」
私につられてか、軽く頭を下げる鬼鮫さん。この人、日本人気質?
イタチさんはこちらを睨んだままーーー万華鏡されたら、私死ぬ。その目が赤くなりませんように。
「えっと、イタチさんはお久しぶりです」
「…どこかで会ったか?」
「アカデミーで。サスケがお弁当を忘れた時に」
「あぁ、あの時の」
覚えていたようだ。

私、サスケにおにぎりあげて良かった。
昔の私、よくやった!
イタチ兄さんの中で、少しは私のポイントが高いと、信じよう。

 
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