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ふふふ…。



今の私のテンションは、ちょっと変。

だって当日なんだもの。



そう、本選ーーー



貴賓席みたいな所には火影様。そして風影様のふりをした大蛇丸…あんまり見ないようにしよう。
暗部の皆さん、スタンバイしてますよね?

私のまわりには子供達。
紅先生とアスマ先生も一緒。
元気なナルトは赤丸と同じくなでなでしておいた。普段はしないーーーやはりどこか変だ。落ち着かない。

だって、蛇オカマが目の前にいるんだもの!

サスケはいない。原作通り。カカシ先生と大遅刻だな。



「嬢ちゃんがサエか」
原作と違うのは、自来也様がここにいること。
ナルト、馬鹿にしてごめんなさい。あなたは良い子。きちんと自来也様を連れて来てくれてありがとう(感涙!)。
自来也様は想像以上にデカくて目立つ。大蛇丸、これ見て木の葉崩しやめてくれないかな。

皆さ〜ん、ここに伝説の三忍の一人がいますヨ〜?

「自来也様、初めまして」
とりあえずご挨拶。
「うむ、やはり初めてか。ナルトから聞いて、どこかで会った知り合いかと思ったのだが…」
一方的に知っている。あなたが頼り。ストーカーではない。
「えっと…ド根性忍伝が読みたいんですが、どこの本屋さんにもないんです」
「なに!?ワシの本を知っておるのか!嬢ちゃん、なかなかわかっておるな」
ガシッと肩を捕まれ、感激された。

この人、大丈夫かな………?

「クッ、あの本は絶版になってしまってなぁ。特別にこれをやろう」
涙ぐみつつ懐から差し出された本は、生暖かい。これってナルトに受け継がれる物では?
「こ、これは、ナルトが持っていたほうが…」
「遠慮するな。まだある」
あ、もしかしなくても在庫引き取り?それも大量に?



ヒナタは日向家の皆さんと一緒。ちょっとここから離れた場所に、お父さんとハナビと並んで座っている。少し落ち着かない感じだが、笑顔だ。
お父さんと一緒なら、きっと無事。カブトに気絶させられるおかげで無事だった筋書が崩れるのが、ちょっとかなり心配でした。あー、良かった。

もう一人、気絶させられるはずのキバは目の前。他の子達と一緒なら、こっちも無事だろう。

「おまえ、ほんと赤丸好きだな」
呆れ顔のキバ。
赤丸は私の腕の中。もはや定位置。温もりがあるって素敵。
心なしか、赤丸がグッタリしているような………私、撫でまわし過ぎた!?

そっと赤丸をキバに返した。

「キバ、帰ってもいいよ」
「はぁっ!?」

家のほうが安全だから。



………あれ?キバが不機嫌?

「サエ、キバが不敏よ」
ものすごく憐れみを含んだ目線の紅先生。
「えっと、ごめん?」
「心がねぇよッ!」
「あなたもしかして、緊張してるの?」
優しいお言葉に激しく首を縦に振る。昨日あんまり寝れませんデシタ。今ももう既に脇汗出てマス。
「サエでも緊張するのだな。意外だ」
シノの呟きに、子供達が頷いた。



………私、どういう目で見られていたの?



「サエはいっつも余裕そうだってばよ」

常にいっぱいいっぱいだ!!



私はただ、ひっそりしようと心掛けていただけなのに。

それなのにーーー





何の因果か?

木の葉崩しを、防ごうだなんて。

 
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