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今の気分は、少しやさぐれ…。

頑張る必要ないのに頑張っちゃった脱力感に苛まれている。



しかし、私の気持ちなんて関係なく、時は進む。










ご飯時にナルトをお宅訪問。
気配がない。呼んでも返事がない。

一楽にいた。

わかりやすいな。
暁に九尾捕まえろと言われたら、即可能だ。

でもすっごい良い顔してラーメン食べてる。可愛いからしばらくお店の外から見守った。



「あれ、サエ?」
お腹が膨れて満足、笑顔のナルトが出てきた。
爪楊枝加えてる姿は将来のおっさんを想像させる。さっきの萌えが消えたよ…いやいや、気を取り直せ。
「ナルト、修業はどう?」
「これからだぜ。何かムッツリスケベが指導してくれるらしいってばよ」
むっつり…エビスだったか?
「あのさ、ナルトはたぶんこれから自来也って人に会うから、本選見に来るように言っておいて?」
「ジライヤ?」
「自来也。別名エロ仙人」
ほんとはカエル仙人だが。

大蛇丸には自来也。
あの人がいてくれたら、とりあえず大丈夫だと思う。

「とにかく自来也、エロ仙人。中忍試験を見に来ることって伝えておいて」
「おぅ、わかった!」

元気よくぶんぶん手を振って行くナルト。



…ナルトに頼んで大丈夫だろうか。あの子、お馬鹿なんだった。

………一抹の不安が残る。

いや、ナルトは良い子よ?










次に木の葉病院。

月光ハヤテのお見舞いだ。手ぶらじゃ何なので、甘栗甘のお団子を手土産に。
サスケも入院してるはずだが、カカシ先生によって強制退院のはずだから、放置。



受付でハヤテさんの部屋を確認…個室とは待遇良いな。上忍だからか?
ついでに聞けば、やはりサスケはカカシ先生が連れていったらしい。頑張れ!



「お邪魔します」

私、ちゃんとノックしました。



「………」



そうですね。当然ですね。

何しろ二人は恋人だから。
怪我や病気で入院したら、お見舞いくらいする。でもってイチャパラしたりもする。

「あー…すいません。ひとつ確認したら帰りますので、ごゆっくり」
私の登場に固まったままの大人二人。言いかえれば、上忍と暗部。
「いつまで入院デスカ?」
大人で忍者。
私の気配に気づかないくらい、お互いしか見えていなかったんでしょうか?

忍べよ!?

「三週間ほど。その後リハビリです。ゴホッ…」
ハヤテさんは赤面しても顔色が悪い。おかしな人だ。
「そうですか。ごゆっくり…じゃなくて、お大事に」
ゴホゴホいうのを背で聞いた。



チューする直前、またはした後。二人の顔がめっちゃ近かった。個室で良かったデスネ。

夕顔さんは別嬪さんだ。
しかも私服の着物姿。しかも顔真っ赤。良いもの見れた。



………変な幻術に使ってごめんなさい。心中で土下座。

ただちょっと紅先生と絡んでるところを見てもらっただけです。お美しい女性同士。ちょっときわどい場面を見てもらっただけなんです。百合な感じで。
ビックリして隙見せて欲しかっただけなんデス。

マジでごめんなさい。

紅先生もごめんなさい。










火影様が私につけた監視ーーーいや、護衛の暗部は、夕顔さんではないようだ。ダンゾウの配下じゃなければ、誰でもいい。

監視対象の自覚はある。
私は、不確定な存在だ。





三週間の入院。
その後リハビリ。

それなら、間違って他の任務で殺される事はないだろう。これで月光ハヤテは殉職しない。

私の努力は無駄じゃないはず。私、よく頑張った!

 
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